16
■▼
「・・・んぐ・・・むぐ・・・」
クチュクチュクチュという音だけが響く。なかなかの熱戦だ。
多田の舌技が俺の亀頭のポイントを丹念に捕らえる。・・・うまい。なかなかの業師だ。
きっと多田の口の中は俺の我慢汁でいっぱいのはずだが、しかしそれは俺も同じコトだ。
これだけの技を持っていれば平井ともかなりの熱戦を繰り広げただろう。
俺と同じように序盤でガンガン攻め込み、まさかの逆転技で苦杯を喫したクチなのではないか。
俺も気を抜いたら多田の技に呑まれてどうなるか見当もつかない。
しかし、俺は心のどこかに確信があった。・・・この勝負、勝てる。
俺は丹念に攻めていった。多田の悶絶技に足を動かしながら意識を集中させ、多田の大ぶり
な亀頭に舌を絡ませ、時間をかけて丹念にポイントを取っていく。
開始5分ほどで、多田の足が動き始めた。
最初はヒザを軽く反応させる程度だったが、次第に内腿でゴリゴリと俺の耳をこすり始め、
今はヒクッ、ヒクッと足を伸ばすようになった。
「・・・んんぐ・・・」
多田が焦って俺のマラを荒っぽくしゃぶってくる。
俺は丸く、丸く多田の亀頭を回し、少しずつ奥へしゃぶりこむ。
多田も効いているだろうが、俺も効いている。
俺もガマン汁の多さで多田も気づいているだろう。あくまで強気に責めてくる。
俺も一刻の猶予を許さない。早くきめてしまわなければ。
1分弱の強烈な技の応酬。
そして、
「あくっ・・」多田が少し口を放した。
(ようし・・・)俺はすかさず多田の両足をがっちりときめ、中央に伸びる多田の男根を
荒々しく喉で洗った。
「あああっ・・・」多田の足が浮く。
俺はさらに激しく切り込んだ。
「(ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ)ぐへえっ!」
多田が呑まれた。責めすら忘れて、ひたすらもがいている。
もちろん俺は逃がさない。
「おおおおおおおおおおおおおおおっ・・・」
俺の悶絶ピストンを食い、多田の足がブルブルと震える。
「ああああああああああっ!」
俺のマラを放し、上を向いて息を整える多田。
「・・・あっあっ・・・が・・・あおっ・・・」
次の瞬間、俺のケツにバンバンバンと強い痛みが走った。
「───ああだめだめ、ギブギブ!!」
俺がさっとマラを放し、すかさず大きな声で「一本!」とどなってやる。
「・・・おおおおおお・・・!」
多田が仰向けになって両手で顔を覆う。締まった腰がひくついている。
「・・・くっそお・・・!」
顔を覆ったまま冗談めかした声を出しているが、奥の目はきっと笑ってないに違いない。
「・・・すげえ効きましたよ。でも俺の技も入ってましたよねえ?」
「入ってましたよ。俺もやばかったっす。」
「悔しいっすよ。もし今度試合するなら声かけてやって下さいよ。噴かせてあげますんで。」
「望むところっすよ。」
しばしその場でぐいっとにらみ合ったあと、がっちりと握手をした。
「ありがとうございました。またよろしくお願いします。」
多田と軽く座礼を済ませた。
多田と俺は回りを見渡す。とりあえず似たランクの連中ともう少しスパーをしておきたかった。
・・・良さそうなのがいた。DランクとEランクのスパー。しかも今にも決着がつきそうだ。
相手をガッチリと抱え込み、大刻みに頭を動かして相手を思いきり攻めこむDランクの「荒井」と、
技に呑まれて両脚をガクガクと反応させている中肉中背、Eランクの「北沢」。
アンクルベルトというのは実に便利な発明だ。
「・・・ああ、荒井さんは結構強いっすよ。たしか何かのお医者さんじゃなかったかな。
似合わない体格してますけどねえ。」そう言って多田が笑う。
「じゃ、俺他行ってくるんで。」と多田が手を振って向こうに走っていく。
視線をスパーに戻すと、スパーはもういよいよ大詰めに来ていた。
「・・・あっ、あっ、おううっ!」
北沢が技をこらえようとして反り上がり、額を畳にこすりつけている。
「おうっ! うがっ!」
北沢の股間にのし掛かるように荒井がフィニッシュホールドをぶち込む。
・・・もうきまっただろ。
「・・・が、あうっ! ギブギブ!」
荒井が口を放すとそのまま外側に転げた。スパー終了だ。
「・・・くそお・・・」
北沢が
「まいりました。」
北沢が荒井の前に正座し、軽く座礼。
握手まで済ませたところで俺が荒井に声をかける。
「あのう・・・スパーいいすか?」
「ああ、どうも、お願いします。」
荒井は赤ら顔で、パッと見て34,5ぐらいか。少し頭が後退して腹も出気味だが良く日に焼
けてがっちりしている。ゲイにはもてそうだが女の子には嫌われるかも知れない。170*85位か。
そういうタイプばかりに当たるのは俺の趣味もあるが、ここに来る奴を選んだ朝木がえり好み
をしているのではないだろうか。だとしたら朝木の選り好みは大正解である。
道場の隅に行き、俺と荒井が深く座礼をする。
「平井君が追いつめられたそうじゃないすか。楽しみだなあ。」
荒井はすでに黒い競パンを大きくふくらませている。
「俺もけっこう自信ある方なんでね。負けませんよ。」
69の準備の体勢に入りながら、荒井が得意そうにニッと笑う。
「俺も自信あります。がんばって噴かせますよ。」
「いいねえ。お手並み拝見ですな。・・・よし来い!!」
17
■▲▼
<くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ・・・>
うまい。・・・うまい。
顔に似合わず、荒井は器用に俺のマラを舌先でイジメ、着実に俺の闘志を削っていく。
「・・・ぐっ・・・うお・・・」
ただの69だったらこのまま荒井のペースに任せるほどの押されようだが、これはスパーだ。
俺は何度も挫けて荒井のマラを放しつつ、その度に我に返って戦闘態勢に戻る。
荒井はヒクヒク痙攣する俺の両脚を大きな手でつかみ止め、頭を回してうまく俺を誘い込む。
くっそ・・・負けちまう。
「・・・うっく・・・が・・・あう・・・」
何度も理性を飛ばされながら、辛うじて俺は荒井のマラに食らいついている。
どこかに弱点があるはずだ。見つけないと・・・!
俺は無理矢理荒井のマラを喉に押し込む。
2分・・・3分。
ふと俺が動いた瞬間、荒井の腰がピクッと反応した。
(・・・ここか?)
<グルリ>
荒井がまた動きを止める。
(・・・よし・・・これで行こう・・・)
俺は荒井のマラを強引に根元まで押し込み、やや右に頭を傾けながらグリグリ動かす戦法に出た。
荒井の内腿が俺の頭を強く締め付ける。効いたか。
しかし同時に頭を巧みに動かし始める。
「!!」
俺の方も強い官能が突き上げる。荒井は一気に勝負を決めようというのか。
そう来るなら、望むところだ。
<ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ>
乱戦が始まった。互いにツボを捕らえ、また互いに余裕がない。
攻め込まれてるせいで自分の技がどれだけ効いてるかはわからないが、今はひたすら力いっぱい
自分の技を荒井のマラに打ち込むだけだ。
荒井の腰が動いてるところを見ると、効いてる。俺の技は効いてる。
<ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ>
激しい攻め合い。わずかに残った理性の削り合い。
口を放して息を整えたいところだが、そこで荒井につけこまれるのが怖い。
辛抱合戦。口を止めた方が負ける。
荒井の暖かい鼻息がフーッ、フーッ、俺のタマにかかる。
イッてくれ。・・・・・イッてくれ。
そう念じながら、俺はがんがん荒井の亀頭を洗い続けた。
18
■▲▼
・・・だめだ。
完全に勃ちきった俺の男根の奥から、ぐぐっと熱いものがこみ上げてくる。
「・・・ああああああ参りました!」
追いつめられた声で荒井のでかい尻をバンバンと叩く。
「おーし、勝ったあ!!」
荒井がすかさず起きあがって力強く拳を突き上げる。
「あぶねえー。俺もいきそうだったー」
荒井がヒクヒクしたチンコを俺の顔に乗せる。
「でも、勝った! ・・・どうだ、どうだ、悔しいか!」
自分の頬にチンコをポンポンとぶつけられながら、俺は顔をゆがめてガックリと倒れている。
「でも寺田君うまいよ。こないだのスパーでは俺平井君にレイプ勝ちしてるし。俺の
見立てじゃ、
実力は君の方が上じゃねえかな。」
荒井がニコニコしながら俺にどんどん話しかけてくる。
「そう言ってもらえると嬉しいけど、褒めてもらえるより勝ちたかったなあ。」
「ハハハ、俺がそう簡単に勝たせるかよ。次もおもいきり昇天させてやるぞ。」
荒井がやっと起きあがった俺と座礼を済ませ、そそくさとシャワールームに歩いていく。
俺も慌ててあとをついていき、シャワールームで手で互いのモノをゴシゴシ攻め合いながら
仲良く体を洗い合う。
さあ・・・次は誰とやろうかな。
「・・・ぐっ・・・・・・むっ!」
道場に戻ってみると、お盛んにやってる組に目が吸い寄せられた。
アンクルベルトは青。・・・Cランク。
どちらも譲らぬ激しい攻め合いだ。「石垣」対「増田」。互いに30代半ばと言ったところか。
フェラ技で体を激しく揺すり合いながら、互いに太股で相手の耳をこすり、足を反応させる。
意地と意地のたたき合い。いつ見てもいいもんだ。
石垣はどんなスポーツをやっているのか、足腰がやたらとがっちりしている。
増田は全体に程良く筋肉がつき、脂も乗っている。腕と顔がアンバランスに日焼けしていると
ころを見ると、ブルーカラー系であることは間違いない。
「ああ、あの二人は強いよ。俺も何回かやらせてもらったけど、1回石垣さんからギブ取った
っきりで、あとは負けてばっかりだ。」
荒井が横で太い腕を組んで心持ち首を傾けながら言う。
「こないだの試合は確か石垣さんが勝ってたなあ。15分くらいだったと思うよ。
二人とも出入りの激しい攻め合いやるから見てると参考になるぜ。」
2,3分ほど膠着状態がつづいた後、
「おうっ」石垣の体がぐいっと反り上がった。
「お、今日は石垣さんがやばいなあ。あれは効いてるぞ。」
荒井が前かがみ気味になって小さい目を見開く。
増田が少し石垣にのし掛かるように攻め込んでいる。
石垣の方は上向きにのけぞって増田の技をこらえている。
口を半分開いて必死に呼吸を整えている感じだ。
増田の頭がぐりぐりと動き、こらえられないように「あうっ」と石垣が呻き声をもらす。
「あれはもう踏ん張れないや。下手するともうすぐきまるかな。」
荒井が面白そうに責め合いを見ている。
「あ、あっちもすげえな。」
荒井の声に反応し、思わずそっちに振り向く。
門馬が相手に乗り上げ、大きく反り上がっていた。
相手は赤いアンクルベルト・・・吉岡だ。
「へえ、吉岡さんもああやってゴリゴリスパーやるんですね。」
「うん、結構スパー好きだよあの人。寺田君も頼めばああやって拷問フェラしてもらえるぜきっと」
吉岡のスパーかあ・・・こっちも面白そうだな。
うーん、どっちにしよう。
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■▲▼
「おう!・・・おおおう!」
吉岡は目を細めて楽しそうに頭を揺すっている。あの「赤」は伊達ではないということか。
「・・・くっそ・・・」門馬が我に返って必死に吉岡の股間に頭を突っ込む。
吉岡の体がビクンと反応した後、また元の姿勢に戻って頭をぐるぐると回す。
「おおおおおう!」門馬のごつい足がピンと伸び、畳をドンと強く踏みしめる。
きまるか・・・きまるか。
「・・・だっっ・・・ああ参った《ばんばんばん》!!」
門馬が吉岡のケツを叩く。
吉岡がサッと口を放す。
白い六尺の横から上反りに突き立った門馬のマラ。
・・・どうやら、寸止めルールでやっているらしい。
思い出したように門馬が吉岡の股ぐらに食らいつく。
くちゅくちゅくちゅくちゅ・・・・
門馬の巧みな頭の動き。硬く反った吉岡のマラが門馬の口の中で不規則な動きをする。
吉岡がピクンと門馬の頭を足で挟んだ後、門馬の硬く反ったチンコにもう一度頭を埋める。
「・・・うん・・・・・」
5秒もしないうちにまた門馬の体が軽く反る。
くちゅくちゅくちゅくちゅ・・・くちゅくちゅくちゅくちゅ・・・。
「・・・すげえ・・・」
ふと右に目をやると、荒井もポカーンと吉岡vs門馬を眺めていた。
俺もそういう顔をして見てたかも知れない。
横の俺の視線に気付くと、荒井も決まり悪そうに頭を掻いた。
「・・・濃い責め合いっすよねえ・・・」
二人の黒い競パンが大きくふくらんでいる。
「今度やるときは俺達もああやってもいいね。」
「えっ、じゃあ今からでもやりましょうよー。」
俺が荒井の脇腹を肘でつつく。
「いや、ちょっとこれからやることがあるんで。」
荒井が道場の入り口の辺りをアゴで指す。
「あっ・・・」
いつ現れたのか、7,8人ぐらいの足に緑のアンクルベルトをつけた男達が固まって立っていた。
そしてその男の中に、なぜか平井が交じっている。
平井が・・・Dランク?
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■▲
「おっ、こんにちは」
「あ、ども」
俺は平井に声をかけついでに、Dランクの集団に合流する荒井と入り口の方に歩いていった。
その途中で石垣と増田の方に目をやると、すでに69を解いている。
・・・終わっちゃったか。
石垣が仰向けに倒れたままなところを見ると、あのまま石垣がギブアップを取られたらしい。
合流したところで平井の足を見ると、やはり緑のアンクルベルトを填めている。
「平井さん、これ・・・」
「ああ、これですか。実は昇格したんです。」
「昇格?」
「じつはあの後個人的に試合を組ませてもらったんです。朝木さんに審判してもらって・・・」
そこに来て、平井が口ごもる。
「ほぉ・・・で、その相手って誰なんです?」
俺が声を低くして平井に耳打ちしてみる。
「福岡さんす・・・」
福岡と言えば、この間平井にスパーで負かされていた男だ。
「いや、俺が頼んだわけじゃないんです。こないだ俺にスパーで負けて悔しかったらしくて、
もう一度、今度はリングで戦おうって言われたんです。で、昨日やって・・・」
平井が声を低くしながら続ける。
当の福岡も、俺達にやや背を向ける形でなにやら準備をしている。
足を見ると、俺達と同じEランクだ。
平井と入れ替わりに降格してしまったらしい。それにしても降格を賭けてまで
平井との勝負を望んだってことは、相当悔しかったのだろう。
「・・・何分かかりました?」
「12分・・・だったかな。」
12分と言えば、この間のスパーの1.5倍ぐらいだ。
福岡も、負けたなりに男の意地を見せたということか。
「・・・そういえば、今日のこの集まりってなんです?」
「トーナメントです。」
「・・・トーナメント?」
「いえ、非公式なんすけど、たまにやるんですよ、こういったトーナメントを。Dランクは若いのが多いし、結構盛り上がりますよ。」
福岡と荒井が小さめの模造紙にトーナメント表を書き、「橘」というアンクルベルトを
つけた男がメンバーに組み分けカードを回している。
「Dランクに入って翌日にトーナメントじゃ、厳しいでしょう」
「いやあ、俺も結構Dランクの人とも結構やってますからねえ。1回戦ぐらい勝ち
抜けるんじゃないかと思うんですよ。Dランクってけっこう若いの多いっすからね。
俺達入りたてだからEランクだけど、試合さえ積めばけっこう良いところに食い込
めると思いますよきっと。 寺田さんも早くDに上がってきてくださいよ。」
平井が腕を組み、広い肩を怒らせながらチラッと俺の方を見る。
「その為には俺も誰かと試合やんないとなあ。・・・誰かいいのいませんか?」
「ナンだったら俺がお相手しますぜ。」
平井の目がぎらっと光る。
「へへ、いいっすねえ。一日で降格しちゃってもよければ。」
ニヤリと笑いながら、視線を絡め合う。
「・・・ま、そろそろ組み合わせを決めに行ってきますんで。」
「ういっす、頑張って優勝してください。」
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