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シャワー室を出ると、吉岡と朝木が二人を待っていた。

「言い忘れてたけど、二人とも良い試合しますねえ。もう少しここで練習すればぐんぐん強く

 なりますよ。平井君はこれで3連勝だしね。ほら、さっきの試合に当てられて何人か始めち

 ゃってる。」

 

朝木が後ろをアゴで示すと確かに畳の上で3組ぐらいが69に組み合って頭を動かしている。

奥の一組などもうクライマックスに来ているらしく、「あっ、あっ!」という声が響き、

やられている方はもう完全に反り上がっている。顔も覗けないほどだ。

 

「若いから1発じゃ物足りないでしょ? 彼とリターンマッチやってみたらどうです?」

思わず平井の顔を見る。・・・平井もぴくりと眉を上げる。

「ええ・・・またやりたいっすけど・・・でもやっぱり次にとっときますよ。」

朝木の勧めを俺は断ることにした。

「俺一回出しちゃってるし、これでもし万一俺が平井さんを倒したとしても、あんまり

嬉しくないっていうか・・・。」

平井の笑みが少し硬い。・・・ムッとしているのかも知れない。

「できれば平等の条件で、また思いっきりやりたいっす。」

笑顔を平井に向けると、平井も少し顔がほころぶ。

俺と平井はがっちりと握手した。

 

 

「うん、まあ後は適当にやって下さい。この道場は夜19時から23時まで開いてるんで、

自由に使ってけっこうですよ。」

道場という言葉を朝木は使った。たしかに道場なのだろう。俺も一応武道の心得がある

ので道場の雰囲気は心得ている。

「あとこれが帯代わりのアンクルベルトです。ランクのことはもう聞きましたよね。

寺田君はEランクなので、この紫色のゴムをつけてください。」

俺は紫色の「寺田」と書かれた広い帯状の太い輪ゴムを渡された。

 

「道場ではほとんど半裸状態なので、これでランクや名前を識別するんですよ。これを

つけてここでガンガン試合やって、ランクを上げてください。」

「わかりました。」

「それから、リングは試合用のものですが、レフェリーつけてスパーやりたいときは、

道場に常駐してる赤いアンクルベルトしてるヤツに頼んでくださいね。」

道場の端でなにやら指導している吉岡の足を見ると、なるほど赤い輪ゴムがはまっている。

 

「じゃ、俺はそろそろ帰りますんで、楽しんでってください。」

置いてあった黒いスーツケースを手に持ち、また白い歯を見せて笑った。

 

吉岡がそれに気がつくと少し左眉を上げた。

「おお、もう帰っちゃうの? つれないなあ、たまにはここで俺としっぽりやりましょ

うよ。こないだの決着ついてないんだしさあ。・・・試合やっとかないと、そのうち木

村さんあたりに昇天負けしちまいますよ?」

朝木は口の端を少し曲げてニヤッと笑った。

「こないだの試合は俺の勝ちだったし、まだ腕は全然鈍ってないよ」

「いいや、あれは判定ミスだ。こんどキッチリいかせて決着つけてやるよぉ。」

吉岡の肩を朝木は軽く叩き、俺の方に手を振ってみせた。

 

「じゃ、こんどまた道場で会いましょう。俺も指導員としてちょくちょく来るんで。」

「あ、どうも。よろしくお願いします。」

 

 

 

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平井と別れ、俺は道場の端に座っている男に声をかけることにした。

 

ジャージの下にスカイブルーの競パンを履いてあぐらをかいている。

紫色のアンクルベルトに栗原と書いてある。Eランク。練習相手としても手頃だ。

27歳ぐらい。ジャージ越しにも肩幅が広く、胸板も厚さが見て取れる。

(・・・こんなヤツと毎日やれるんだったら、天国だなあ・・・)

 

「あのう・・・すいません。」

四角くてごつい栗原の顔がちょっと傾き気味に俺の顔を見、少し表情がほころぶ。

「ああ、さっきの人ですよね。試合よかったですよ。」

「ありがとうございます。あのう・・・いいっすか?」

「ああ、スパーですよね。こちらこそお願いします。」

栗原が着ていたジャージをせわしなく脱ぎ、正座して俺の方を向く。

(・・・やっぱり、柔道と同じだなあ・・・)

 

ウェイトで鍛えこんだらしく、胸板だけでなく、身体中の筋肉ががっちりとついている。

俺も柔道で鍛えた体には少々自信があるが、この男にはとても敵わない。

「じゃ、お願いします。」

俺も正座をし、互いに礼をして即座に69の形に入った。

 

 

栗原の少し毛深い腰が、俺の目の前に突き出される。

マラは既に半勃ちになっている。なかなか太々しい形で、完全に立ちきったら俺より大きそうだ。

「いきますよー・・・用意、ドン!」

栗原が運動会のようなセリフをはいて俺のケツをバンとたたいた。

 

 

栗原の暖かい肉竿を、無理矢理突っ込んで、喉でしつこく洗ってみる。

「・・・ぐ・・・ぐ・・・」

もう2分経過しているが、はやくも栗原の腰が動いている。

「・・・むぐっ!・・・」

まだ経験が少ないようだ。俺の責めが効いているようで、反撃がこない。

「・・・あっ・・・くう・・・」

たまに俺が頭をつっこんでやると、すぐ反応して口を放しては、戻る。

「・・・おーい、相手は初めてだぞ、もっと踏ん張れ!」

右の方から太い声で檄が飛ぶ。

 

「・・・くそっ・・・」

栗原が意を決したように俺のマラにかぶりつく。

奥まで呑み込んだ。ディープスロートのつもりか。

───こうやるんだろ?

「ああっ!」

栗原がビリビリと効いている。

 

「・・・くっそ・・・ああう・・・」

まだディープスロートをやめない俺に対し、肩で息をしてギブアップを拒む栗原。

「どうした、栗ちゃん! ギブかあ?」

「・・・ぐっ・・・」

その瞬間、俺が頭をグリンと回してやった。

「───ああああああっ!!」

栗原の上体がグインと反り返る。

 

俺がわざとジュポジュポと音を立てながら栗原のマラをしゃぶり上げる。

「だはあっ、ああっ・・・・」

栗原のちょっと毛深い太ももが、俺の前でぐいぐいと揺れる。

なまぐさいガマン汁もダラダラと湧いている。土俵際で必死に残る力士の心境か。

 

 

しかし、その忍耐の糸も、俺の強烈な喉技に2分足らずで切れた。

「―――おうっ! ・・・ああギブギブギブギブ!!」

「一本! それまでぇ!」

さっきの太い声の主がそばで大きく一本を宣する。

 

グチュッと音を立てて、俺が栗原のマラを放す。

やっぱり大きい。俺の唾液で浅黒く光った栗原のズルムケが、大きく反ってヒクヒクしている。

「・・・強えぇ~・・・!」

栗原が悔しそうに畳をドンと叩き、顔をゆがめて仰向けに大の字になる。

・・・ま、こんなもんだろう。

 

 

 

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「4分半かぁ・・・やられちゃったな?」

見ると赤ら顔の少し腹の出かかった40代半ばぐらいのオッサンが栗原に声をかけている。

武井と感じが似ているが、筋肉質でごつい武井よりこのオッサンは丸い印象だ。

「・・・すごいっすよぉ・・・ちきしょー、まるで相手になんねえ・・・」

栗原が顔をぐっとしかめながら応える。初心者相手に完敗したのだからそりゃ悔しいだろう。

 

「大型新人登場かな。・・・どうだ、このおっちゃんとやってみるか?」

オッサンがニコニコ笑う。見ると武井や木下とおなじ黄色のアンクルベルトに門馬と書いてある。

Cランクか。手強そうだ。

「おお、やってくれるか? やっぱり何事もやってみないとなあ。」

そう言って、着ていたジャージをさっと脱ぐ。

まるく盛り上がった胸板と、ボンレスハムのような太い腕。そして白い六尺褌。

「どうだ、かっこいいだろう。お前も俺ぐらいの歳になったら締めてみろ。きっと似合うぞ。」

 

俺と門馬はさっそく69の体勢になった。

「おお、兄ちゃん良いモン持ってんじゃねえか・・・」

門馬が俺の股間をマジマジと眺めて言う。黒い競パンの下から、わずかに俺のモノがはみ出ている。

「俺のはそんなに逞しくねえけど、太くて味はいいぞ。よーく味わってみろよな。

 んじゃ行くぞ・・・・イチ、ニの、サン!」

 

俺は門馬の六尺の前袋を右にずらして勃起したマラをはじき出させ、がぷっと門馬のマラに

食らいついた。

「・・・くっ・・・おおお、兄ちゃん筋が良いなあ・・・」

俺のねちっこい亀頭舐めに、門馬が軽く反り上がりながら声を出す。

門馬の亀頭を舐めながら軽く頭をひねる。

「おおうっ」

門馬が気持ちよさそうな声をあげる。でもマラはくわえてこない。まだ余裕と言うことか。

さらに深くくわえて、ぐいぐいと頭を振る。

「いいねえ・・・おうっ・・・いいねえ・・・」

門馬の太ももが俺の耳たぶに何度も強くこすれる。

これでもか・・・おら・・・これでもか・・・。

 

「・・・へへっ、さすがの俺も受けてばっかじゃヤラれちまう。そろそろ行くぞぉ!」

<ぐんっ>

俺の脳天に、官能がぐぐっと突き上げる。

 

追いすがる門馬。深く丈夫な喉で、俺の股間を一気に攻め立ててくる。

まだいける・・・まだいける。

《ぐんっ》

「・・・おおうっ!」

くわえ込まれてからたった30秒、俺はたまらず口を放してしまった。

 

「・・・ぐうお・・・」

 

攻めに戻れない。機械的に門馬の亀頭に舌を当ててはいるものの、

門馬が効いてないことはその反応を見なくても分かる。

俺は・・・門馬に呑まれている。

「・・・やっべ・・・・・・くっ、あうっ・・・・」

早くも俺をイカセにかかる門馬。振幅がかなり速くなった。

このまま出すわけにはいかない。何とか・・・何とかもどんねえと・・・

 

「・・・んん・・・んん・・・んん・・」

必死にこらえる俺。門馬を仕留められないまでも、せめて長くもたせてから・・・。

巧みに責め上げる門馬。たまらず、俺の腰が二、三度門馬の顔を強く跳ねあげる。

門馬は勝ちを確信しているようだ。

・・・そうと分かってて、しかし俺は放出をこらえることしかできない。

 

1分。・・・また1分。

・・・ついに、俺の忍耐の糸が切れた。

「・・・あああもうだめだっ!!」

バンバンバンと俺が門馬のでかいケツをたたく。

「おっ、ギブアップか!!」

門馬がさっと俺のマラを放した。・・・まさに完敗だ。

 

 

 

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「・・・どうだ、気持ちよかったろ兄ちゃん?」

門馬が目を細め、ヒクヒクと動く俺のマラの裏っかわを楽しそうに眺めている。

「強いっすねえ・・・」

仰向けになったまま、うわごとに様に俺がつぶやく。

門馬のマラもぐいっと天を指して勃起している。・・・俺の責め技もまんざらではないようだ。

「なんの、俺より強いヤツなんてたくさんいるぞ。兄ちゃんもあんな粘り腰持ってんだ、

すぐ強くなるぜ。」

門馬が俺の肩をポンポンと叩いた。

 

ふと左の方に目をやると平井がスパーをしている。

相手は緑色のアンクルベルトをしている。おそらくDランクであろう。

雰囲気から見て平井が押しているようだ。相手の右爪先がヒクヒクと上下している。

(やるなあ・・・Dランク相手に押してるじゃん・・・)

 

平井が相手の両脚を脇に挟み、ガッチリときめた。

思わず俺が目を見張る。・・・俺がやられた技だ。

「・・・あっ!・・・あっ!」

相手の頭がグラグラと上下に動く。あれは相当効いている。

「・・・ぐおおおっ・・・」

平井の技を解こうと両脚をバタバタと動かすが、そこは平井がガッチリときめて放さない。

「・・・おおおおおおおっ!」

相手が痙攣するようにガバッと後ろに反り上がる。 

・・・きまったな。

 

「・・・おおおおおおおおっ、ダメだギブギブギブギブッ!!」

相手がバンバンバンと平井のケツを叩く。

平井がさっと技を解くと、そのまま相手はグッタリと仰向けに崩れた。

「平井も腕を上げたよなあ。福岡は結構我慢強いヤツなのに。」

門馬が太い腕を組んでつぶやく。

「兄ちゃんも気をつけた方がいいぜ。さっきの試合は兄ちゃんの方が押してた感じだったけど、

 あれを見る限りじゃ、ボサッとしてるとまたやられるぞ。」

俺はごくっとツバを飲み込んだ。平井に食らった強烈な喉尺を思い出し、ピクンとマラが反応する。

 

ふと平井が俺の視線に気付く。少し間をおいた後、俺に向かってにんまりと笑って見せた。

 

 

 

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その後は栗原に一度放出戦を申し込まれ、得意の喉技で一気に攻め落としたあと

たっぷりと俺のをぶっかけて帰った。

 

道場2日目はその4日後になってしまった。毎日こんな所で遊んでるわけにもいかない。

20時過ぎ。仕事を上がってから30分ほど電車に揺られ、目的のビルまで要領よく歩いて

たどりついた。昔から方向感覚には自信がある。

 

道場の扉を開けると、すでに6,7組のスパーが盛んに行われている。

照明はこの間より明るくとってある。朝木も平井も栗原も今日は姿が見えない。

門馬は奥の方でDランクの奴を楽しそうにいたぶっている。

吉岡は・・・いたいた。赤いビキニを履いてCランク同士のスパーを指導しているようだ。

 

知ってるメンツに一通り挨拶した後、俺はさっそくロッカールームで服を脱ぎ、シャワーのあとで

黒いビキニ競パン・アンクルベルト・ジャージを手際よく身につける。

戻ってくると、さっそく声を掛けられた。Eランクのアンクルベルトをつけた中肉中背の男だ。

 

「あのう、俺覚えてます?」

覚えていた。試合の時平井と一緒に座っていたような気がする。アンクルベルトを見ると「多田」

と書いてあり、黒いジャージの下から黄色い競パンがチラッと見える。

体格は小柄で厚みこそないものの、肩幅があってフレームもしっかりしている。

目が小さくて顔のパーツが全体的に集まっている感じだ。

人はいいが、少々気が短いタイプか。スパーでやりあったら面白そうだ。

 

「ええ、覚えてます。平井さんのとなりに座ってましたよね。」

「あの試合惜しかったっすよねえ。ギリギリまで寺田さんが押してたのに。結構やってるでしょ?」

「いやあ、まあ押してましたけど最後の技は強烈だったっすからねえ。悔しいけど、試合でまた

あれ食らったら、きっとまた俺は昇天負けしますよ。・・・正直ね、あの技は怖いなあ。」

「そうっすかねー・・・」

話をしながら、おやっと思った。平井を褒めたあたりで少し表情が曇ったような気がする。

こいつも平井を意識しているのか? そう言えばEランクはEランク同士で試合をするはずだし、

多田は平井のとなりに座っていた・・・ということは・・・

 

さては・・・試合で平井に負けたな。

俺はちょっと多田に興味を覚えた。

 

「あのー、俺とやってみませんか?」

「えっ? 俺でいいんですか?」

多田が面食らったように言う。

「ええ。やっぱり自己紹介だけじゃなくてやっぱ・・・ねえ?」

俺はおどけて多田の股間をポンポンと叩いた。結構でかい。

「ハハハ、そうですよね。」

俺と多田は笑い合って、身につけたジャージを脱ぎ始める。

 

 

二人が競パン一丁で真っ直ぐに向かい合い、軽く礼をする。

「じゃあ・・・。」

ガッチリと握手をする。すでに両者のマラは大きくふくれている。

「俺、容赦しないっすよ。」俺が軽く水を向ける。

多田も嬉しそうに笑う。

「その余裕が最後まであるかどうか試してみて下さいよ。」

お互いニヤッと笑い、69の体勢になる。

「じゃ、行きましょ。 ・・・いち、にの、さん!」

俺と多田はガッチリとスパーに入った。

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