69勝負。道場の端で、熱戦が繰り広げられている。
がたいのいい男が2人、がっちりと組み合っている。
一人の男は濃い顔立ちにフルフェイスの髭面だ。背が低く、40代だと思うが、全身の体毛が濃く、がっちりした体格も合わせて近寄りがたい印象を与える。
もう一人は若干年下で、30代半ばに見える。こちらは人が好くおっとりした印象を与えるが、ラガーマンのように体格がよい。ともに90キロ前後の重量級対決だ。
といっても、決着は目前だ。髭面の方が太い足で若手の頭を挟み、左右にイヤイヤと腰を振る。
赤黒く硬直した竿が強く立ち上がり、先端を相手の口に呑まれている。
「くっ、あ・・・」
髭面から、押し殺したような声が漏れる。
レスラー風の若い男の口から、髭面の太い竿の裏がのぞく。
若い男もねちっこい口技で竿をいたぶっているが、自分の竿も勃起している。
直前の技が効いていたのか、かすかに湿った竿が上を向いている。
その竿を見ながら、髭面が目をかすかに潤ませながらハァハァと息をしている。
若い男の竿を責め立てる気力は、髭面の男には残っていない。
髭面は顔をマットに伏せ、鼻をマットにこすりながら口を開けてハァハァと呼吸をしている。
若い男が髭面の腰にがっきと抱きついて股間に頭をうずめ、亀頭をクチュクチュクチュとしゃぶる。
「ああぁ~」髭面の足が、パタパタと開閉する。
「あっく、ギブギブギブ」
相手がすぐに竿を放すと、男はゴロンと上向きに転がる。
極限まで硬直した竿が、ぶるんと揺れる。どうやら、いかずに済んだようだ。
「くっそー、耐えられん!」
髭面の男が、悔しそうにバンとマットをたたく。
「このやろ・・・・下手なくせに、ねばりやがって・・・」
髭面のサオが、ピクンピクンと動いている。
仕事をやり終えた若い男が、すっくと立ちあがる。
両手を腰に当て、17センチほどの太い竿を誇らしげに立てている。
「どうすか、リング行きませんか?」
怪訝な顔を見せる髭面に対し、若い男が若干口の端をゆがめて笑い、親指でマットを指す。
「いやー、せっかくやるんならリングの上で、あんたをレイプしたいもんでね」
「ん、いいけどよ・・・次も勝てると思ってんのか?」
髭面が不満そうに口ごもる。その言葉とは裏腹に、太い柱がムクムクムクともちあがる。
若い男の男がにっこりと微笑み、髭面の背中を押すようにしてリングに導いて行った。
道場の真ん中にある小さなリング。
リングと言っても4メートル四方ぐらいの小さなもので、高さもさほど高くない。
みんながマットの周囲からのぞける程度にマットレスを積んでコーナーポストとサイドロープで周りを囲み、そこが試合場であることを示すものにすぎない。
髭面と若い男が、中央で向かい合っている。
互いに最盛期はとうに過ぎているが、肉厚の体の前で太い腕をがっちりと組んで、静かににらみ合っている。
何も知らない人が見たら、プロレスの試合でもやるのだろうと思うに違いない。
でもそれは事実ではない。これから行われるのは、69の試合だ。
二人は男根をさらに上に向けながら、互いの体をまじまじと見つめる。
試合があるとわかれば、周りにガヤガヤと男たちが集まる。
それぞれ腕に覚えのある連中だ。試合を見る目も肥えている者ばかりだ。
縦じまのレフェリーシャツに黒いスラックスを履いたレフェリーが、静かにリングに上がる。
「これより、いかせ合いレスリング、60分一本勝負を行います!」
レフェリーがマイクをもって煽り文句を言うと、観衆がオオォーと盛り上がる。
「赤コーナー、178センチ95キロ・・・高田さん!」
パチパチパチと拍手が鳴る中、若い男が手を上げて観衆にこたえ、静かに頭を下げる。
「青コーナー、164センチ89キロ・・・藤岡さん!」
パチパチパチと拍手が鳴る中、今度は髭面の男が手を上げて観衆にこたえ、会釈するように軽く頭を下げる。
竿を裏返しに立てて、69の体勢に組み合う。
「今日の目標は?」「10分KO・・・いや15分にしとくか」
高田が、ニコニコしながら答える。
「焦ると反撃食らっちゃうから、じわじわ責めて倒しますよ」
すでに、でっかく立てている。
カーンとゴングが鳴ると、はじかれたようにがっぷりとしゃぶり合う。
「いけー」「がんばれよー」
互いに、最初はガンガン攻めない。互いの亀頭に、丁寧に舌をからませる。
すでに、二人とも強く勃起している。互いに技が強く入っている。
若い高田の鼻息が荒い。藤岡のラウンドフェラに、亀頭を強くこすられている。
高田は負けずに頬をすぼめ、ぐちゅぐちゅぐちゅと音を立てる。
藤岡の腰がカクンと反応し、ケツの筋肉が動く。
藤岡は高田のカリに舌をひっかけ、しつこく頭を振りたてる。
高田は鼻息を荒くつきながら、何でもないかのように頭を丁寧に振っていく。
試合が動いたのは、20分後。
「おうっ!」
強く反応したのは藤岡。高田の突然の強いカリ舐めに、思わず口を放してしまった。
「ダウーン!」レフェリーの太い声が響きわたる。
すかさず藤岡の股ぐらに高木が強く取りつく。
藤岡の乳首を右手でつまみながら、ぐいぐいと頭を前後させる。
「く、くっ・・・・おう」
ラウンドの髭面を真っ赤にして息をつく藤岡。 コワモテの面を天井に向けながら、ときどき視線がとろける。
自分がダウンしてしまったことで、動揺しているように見える。
「高田さん、倒せるぞ!」
高田は藤岡の太い足をこじ開け、さらに頭を敵の太い股ぐらに突っ込む。
「あく、あはぅ」
藤岡のくぐもった低い声が響きわたり、短い足がばたつく。
リングの上で、ごつい藤岡の股ぐらに取りつき、一方的に技を打ち込む高木。 ねじれ反り上がる藤岡。
はた目には、レスラー同士の寝技の攻防にも見える。しかしリング上で決まっているのは、高木のフェラ技だ。
上手に逃げられない藤岡。高木もパワーファイターだ。暴れる藤岡の腰をがっちりロックして、身動き一つ許さない。
藤岡が体をブルブルと震わせながら、大きな目で一心に赤コーナーのポストを見すえる。
数年前は、よくリングの上で可愛がってやった男だ。体はデカいが、ちょっと捻るとネコのように可愛く鳴きながらイッてしまう奴だった。
しかし、最近はその上下関係が逆転している。
技は、まだまだ自分が上だ。しかし、高田の持ち前の持続力に、最近自分がついていけないことが増えてきた。
・・・いつの間に逆転し、こんなに差がついてしまったのか。
藤岡は高田に強く抱きすくめられながら、前後左右に体をよじって敗北を拒否する。
高田が、藤岡の顔に腰をこすりつけてくる。
高田の立ちきった竿の裏が藤岡の顔に当たる。攻めてこいという挑発か。
いつもはおっとりして気の好い奴だが、試合になると急にオスの顔を見せる。
藤岡は高田の股ぐらから顔をのぞかせ、官能に視線のとろけた顔を衆目にさらす。
「藤岡さん、がんばれー!」
「お、おお・・・まかせろよ・・・」
そういいながらも、藤岡の声には元気がない。
高田は人の好さそうな細い目で藤岡の股間を見すえながら、グローブのようなでかい手で藤岡の腰を支え、ぐいぐいとフェラ技を打ち込む。
もう、勝負あったも同然だ。あとは、藤岡が堕ちるのを待つだけだ。
・・・そのときだった。
高田の体がガクンと震えた。
見ると、藤岡が高田の亀頭を手でつかんでいる。
「・・・よお・・・」
藤岡が紅潮した顔をニヤリとゆがめながら、高田の顔を見上げる。
「69のいかせ合いなんて、いってなかったよな・・・」
藤岡が高田のプックリふくれた亀頭を手のひらに包み込み、ぐいとねじる。
高田の腰が引け、両ひざが内股気味にすぼまる。
「やっぱりな・・・亀頭責め、弱いか・・・」
藤岡が高田の右ひざに手を当てて股ぐらを強引に押し開き、手のひらで亀頭をグリ撫でする。
「-------------------!」
赤黒くスジを浮かせた高田の太い男根を手のひらに垂直に突き立て、車のギアを操作するように藤岡の手のひらが不規則に動く。
「うん! ・・・ううううううんん!」
高田の太く白い足がマットの上を暴れ、足の裏がマットをどたんどたんと蹴る。
「いいねえ・・・いい反応だ・・」
高田の亀頭をつかんだ藤岡の手が、巧みに動く。
「・・・ふん、う・・・」
懸命に藤岡の亀頭をくわえる高田。
高田の技は、まだ有効にきまっている。藤岡の太い竿が、赤黒く筋を浮かせる。
しかし藤岡は不敵に笑いながら、亀頭をつかんだ手をぐりぐりと揺する。
強く勃起した竿を高田に与えながら、じっくりと高田の亀頭を手のひらで転がす。
高田は懸命に藤岡の亀頭をほおばるが、時折口を大きく開けて息をつく。
高田の太い足が不規則に暴れ、時折両膝で藤岡の手を挟み、こする。
「いやなのか、おい・・・俺の攻めが、いやなのか」
藤岡がオイルを手に取り、高速のしごき技にスイッチする。
高田の乳首を右手でつまみながら、左手を素早く動かし、ぐちゅぐちゅぐちゅと音を立てる。
高田の竿は岩のように硬直している。高田はたまらず口を放し、左を向いて息をつく。
「おっとダウンか・・・お前、フェラにこだわりすぎたなあ!」
藤岡の高速しごきと乳首の2点責め。すでに、フィニッシュホールドにスイッチしている。
「・・・ぐっ、う・・・」
高田はぶんぶん頭を振りながら、熱に浮かされたように藤岡の竿を左手でつかむ。
転がっているオイルのボトルを手に取り、手になじませてグイグイとしごき始める。
藤岡の竿も、パンパンに勃起していたままだ。不意の攻撃に、藤岡のあごが上がり、腰がガクンとゆれる。
しかしすぐにニヤリと笑い、高速しごきで応戦する。
「まだまだやる気十分だなあ! もっと来いや!」
藤岡が高田の竿を右に曲げるようにして、ゴリゴリとねじりしごく。
「ぐううううう!」 高田が首を右にねじり、上を見すえながら鼻息を強く吐く。
「どうした、おら! ギブアップしてもいいぞ!」
「あっ、が・・・!」高田は頭をぶんぶん振り、すがり付くようにして藤岡の上反りに勃起した竿をしごきたてる。
藤岡の毛深い両足が、高田の頭を挟んでロックする。
「おらおらまだ足りねえよ! これで終わりか?」
「うぐう・・・・!」
「もっと来いよ! もっと来いよおら!」
藤岡は腰をしゃくるようにして高田を煽りながら、逆手で高田の竿先端をつかんで音を立てる。
「ぐふう・・・・!」あきらめられない高田。 赤鬼のように顔を紅潮させながら、さらにすがり付くように藤岡の竿を高速でしごきたてる。
藤岡が右手で高田の乳首をつまむと、高田の広い背中がこわばる。
「く・・・くそ・・・・」
そのときだった。
両者がはじかれたように離れ、ゴロンと横に転がった。
一方は驚いたように相手の方を向き、もう一方は体を起こして片膝を立て、上反りに立ち上がった竿の先端をにらみ据える。
その竿の先端から、ゆっくりと白い液体が1滴浮き上がり、ツーッと糸を引いて垂れ落ちる。
「ギ・・・ギブアップ・・・」
竿の先端をにらみ据えているのは・・・藤岡だ。
カンカンカンとゴングが鳴り響き、会場から、歓声が巻き起こる。高田の、再逆転勝利だ。
高田が、信じられないという顔をしながら、嬉しそうに立ち上がり、両手を突き上げる。
藤岡は、テクニックでこそ高田を圧倒したが、フェラのダメージから抜けきれないまま高田の責めをもろに食らってしまった。
こみ上げる官能を挑発でごまかそうとしたが、高田の耐久力の前に少し計算が狂ってしまった。
しかもギブアップが遅れ、一滴とはいえザーメンを漏らしてしまった。
高田の完全勝利。
「藤岡さん! 余裕かと思ったら、イクほど効いてたんすね!」
高田が藤岡に歩み寄り、太い声で藤岡に声をかける。
「何てことはねえ・・・ちょいと調子が狂っただけだ・・・」
藤岡の言い逃れにも、少々力がない。
「すげえや、俺、藤岡さんをしごきでKOなんて、思ってなかったっすよ!」
高田の言葉に、藤岡の眉毛がぴくんともちあがる。
「いや、しごきで負けたわけじゃねえよ・・・」
「でもしごきでフィニッシュしたじゃないすか!
俺、耐久力は自信あるし、試合でもよくねばりで競り勝ってるんですよ!
いやー、俺もうまくなったなあ!」
「なんだと・・・?」
「なんなら、もう一発やりますか?」
「やってもいいのか?」
「いや藤岡さん、ちょっと間を置いた方が・・・」
周囲の制止を振り切って、藤岡が高田に進み出る。
「遠慮することねえよ、高田君も実力確かめてえだろ?」
「いいっすねえ」
周囲の戸惑いをよそに、高田と藤岡が歩み寄り、正面からがっぷりと組み合う。
立て膝でのしごき合い。互いの左手を肩に回し、右手が相手の男根にからみつく。
すでに、ビンビンに立っている。上ぞり気味の男根が、相手の手の中でグチュグチュと音を立てる。
こうしてみると、結構身長差がある。もっさりとした佇まいで猪首の藤岡が、高田をぐいっとにらみ上げる。
先ほどまでにやついていた高田も、レスラーのような体格で藤岡を威圧しながら、ぐいぐいと手を動かす。
互角に見える責め合い。すでに昇天寸前まで高め合った直後だけに、ゆっくり探りを入れる時間はない。
どんなに相手を追いつめても、相手より先に高まってしまえば、終わりだ。
互いにベテラン同士、熟練のテクニックで相手を硬直させ、逃がさない。
藤岡の手は、高田の強く勃起した竿を先半分だけ握り、小刻みにコキコキと揺する。
勃起角度の高い高田の竿が、その角度のまま握りこまれ、硬直したまま太い血管を浮かせている。
高田の手は藤岡の竿を逆手に握り、じっくりと回しながら揺すられる。
藤岡の竿はさほど角度がついていないものの、上反りに強く反り曲がっている。
いったん昇天寸前まで高まっている竿に、先ほどの感覚を戻していく。
しごき合っている両者が、さらに近づき、互いの鍛え上げた左肩にアゴを乗せる。
互いの鼻息が聞こえる距離。しごきの振動で小刻みに揺れながら、五感をとぎすます。
見た目には、冷静に見える。そのバランスが崩れれば、一気に試合が傾く。
二人の顔が赤くなり、鼻息が荒くなってくる。
互いのフルパワーが、勃起した竿にかかっている。あえぎ声が、今にも漏れそうだ。
精神力の闘い。二人とも顔を紅潮させながら、ふてぶてしくにやついてみせる。
「・・・く・・・」
耳を澄ますと、押し殺した声が聞こえる。
藤岡の声だ。負けん気の強い太眉が、若干中央に寄って縦皺を浮かせている。
よく見ると、高田が藤岡に寄りかかり、積極的に圧力を掛けている。
上から体重を乗せながら、右手で亀頭をゴリゴリ回す。ともに重量級ながら背の低い藤岡が、
少しずつ高田の圧力を受け、押し負けて後ろに傾いていく。
必死に押し返す藤岡の竿がさらに勃起し、そこに高田の右手が強く押し当てられ、ごりごりと回される。
「・・・く・・・あ・・・」
さきほどのギブアップからダメージが回復しきれない藤岡。細い目が大きく見開かれ、上を向いてハァハァと息をつく。
「どうすか藤岡さん・・・俺のフィニッシュホールド、耐えられんでしょう・・・」
高田がニヤニヤと笑って、低い声で藤岡にさらに圧力をかける。
「・・・まだまだ、あ・・・」藤岡の言葉と同時に高田がぐいぐいとしごきを合わせる。
「・・・が・・・あは・・・」
藤岡が左に顔をそむけ、眼を血走らせながら呼吸を整える。
勝負はあきらめない。高田の太い男根をつかみ、ぐいぐいとしごき技を叩き込む。
「効かないっすよ、先輩・・・」
高田がさらに体を乗せる。藤岡が必死に抵抗する。・・・抵抗すればするほど、効く。
「俺強いんすよ・・・これで、うまい先輩いっぱい倒してきたんだ、先輩もイッてもらいますよ・・・」
高田がさらにしごきのスピードを上げる。フルフェイスの強面の猛者が、歯を食いしばって官能をこらえる。
高田が藤岡に圧力をかけながら、いいところで体の傾きを止める。
藤岡の勃起が最大になる角度と、重さ。 高田も、高田なりにテクを磨いてきた。
「こんな攻めじゃ、俺30分は耐えられるなあ・・・先輩、この体勢で、30分耐えられますか?」
高田が、小刻みに震える藤岡の耳に小さくささやく。何度もリングでライバルを落としてきた、猛者のいやらしい攻撃だ。
「どんなにうまくても、責めに弱くちゃだめだなあ・・・俺もっとうまくなりますよ・・・先輩、いい加減潮時っすねぇ・・・」
40代の藤岡の体が、圧力に負けて後ろに傾いていく。
高田がそのまま体を預け、一気に藤岡を後ろにずしんと押し倒す。
「先輩、こんなのどうっすか・・・」
高田は藤岡に乗り上げたまま、藤岡の左の首筋に舌を這わせる。
「・・・がああああああっ!」
乳首と竿の、二点責め。大柄な高田の体が藤岡に覆いかぶさり、一気に責め上げる。
「・・・ああああああっ! ・・・ぐっ、あああああああ!」
藤岡の上反りに突き立った竿を、高速でしごき上げながら乳首をべろべろと舐める。
高田の下で、藤岡の毛深い足がバタつく。高田の頭の左から、悶絶している藤岡の顔がのぞく。
「強い男の勝ちっす、先輩・・・この勝負、俺がもらいましたよ」
「・・ぐん、ふうううううううんぐ!」
藤岡の顔が、官能にとろける。いつも強気に相手を睨み据える男が、女のようにあえいでいる。
懸命に、左右に腰を振っている。すこしでも、快感を散らせたいようだ。
しかし、高田も巧みに動きを切り替えている。リングで何度もやっている技、そう簡単に逃げられない。
「・・・・うっく! ・・・・ふん、うっく!」
藤岡の声が、少しずつ弱まっている。すでに10分を超える試合、40代の体にこたえてきたか。
「先輩、しつこいっすねえ! まだ負けたくないんすか!」
よく見ると、高田の竿にも藤岡の手がかかっている。
自分の体に乗り上げた高田の開いた足の間に手を突っ込み、懸命に高田の太い竿をしごいている。
「大丈夫っすよ俺! ぜんぜん効かないっす! おら!」
ぐちゅぐちゅぐちゅ、という摩擦音に、藤岡の荒い呼吸音が混ざる。
「もう潮時っしょ! おら、いっちまってくださいよ!」
よく見ると、高田も荒い息をついている。
もう少し早く試合が終わると思っていたらしい。高田の顔にもいら立ちが混じる。
「お・・・俺にも意地があんだよ・・・負けねえ・・・」
「何言ってんすか! そんな攻めで何を・・・あっ!」
高田がふと言葉を止め、クイと腰を引く。
高田の太い柱の先端を右手でつかみ、藤岡がグルンと手を回す。
「このやろ、姑息な手を・・・あっ」
高田の足が、ぐいっと開く。
よく見ると、藤岡の足が下から高田の太ももを引っかけ、下から開き上げたようだ。
「・・・おっく、なんすかそれ、おうぐ!」
藤岡が高田の両足を開き、相手の体を持ち上げたまま、さらに下に滑り込む。
背の低い藤岡が下から高田の胸板に顔をうずめる。
「あっ!」
藤岡が左手を高田の背中に回し、大き目の乳首をべろりとなめ上げた。
「・・・・あああああああっ!」
藤岡の逆襲。小さい体を利用し、高田の両足を跳ね上げたまま乳首・亀頭の二段攻めに転じた。
「・・・・ぐうううううお!」
高田の開ききった太い足の根元で、藤岡の右手がぐちゅぐちゅと動いている。
乳搾りのように、高田の男根を垂直に握り、右側に少し曲げるような要領でしごきを始めた。
藤岡に跳ね上げられたまま、今度は高田の体が上でバタついている。
うまく踏ん張れない高田。あからさまに体を放せば、ギブアップと取られてしまう。
高田は不意の攻撃になすすべなく、頭を左右に振っている。
「高田・・・俺な、乳首責めもいけるんだぜ・・・」
高田の乳首に舌を這わせながら、藤岡がボソッとつぶやく。
「どうだ、うまいだろ・・・」「あっ・・・・あっ!」
高田を上手に煽りながら、右手をぐいぐいぐいと動かす。
高田が腰を引いて嫌がっているが、足を上手にコントロールされてうまく逃げられない。
「ロートルと戦うときはな、こういう心の準備もしておくもんだぜ・・・」
「・・・くっそ・・・おおおおおおお!」
高田は責められながら、必死に右手で藤岡の竿をしごく。
藤岡も一瞬あごを上げるが、すぐに向きなおる。
「へへ、うまいな・・・さっきは押し切られたが、今度はどうかな・・・勝負だ」
高田と藤岡の、二度目のフィニッシュホールドの叩きあい。
「ぐっ、あ・・・・」
高田は歯を食いしばりながら、懸命に相手を責め立てる。
藤岡も時折視線を宙に漂わせ、効いているそぶりを見せる。しかし責めも緩めない。
「よう高田・・・これはギブアップなしでいこうぜ・・・」
「い、言ったっすね! こうなりゃ俺だって最後まで付き合いますよ!」
「どうだ・・・おら、どうだ・・・」
「いけやおら・・・効いてんの知ってんだよ、おら」
それから、1分もたたない時だった。
「・・・くっそ・・・」
男が、ぎゅっと眼を閉じ、声をしぼり出す
「くそっ・・・ギ、ギブアップ・・・・」
男の竿から、濃いザーメンがジュッ、ジュジュッ、と吐き出される。
次の瞬間、男は力を抜き、跳ね上げた相手の足を解いてズンとマットに崩れ落ちる。
相手の男の下で、収まりきらぬ痙攣が続いている。
いったのは・・・藤岡だ。
「一本! それまでぇ!」
カンカンカンとゴングが鳴る。 観衆がワーッと声を上げた。
藤岡は高田の大柄な体の下で、ピクン、ピクンと痙攣を繰り返す。
今度こそ、しごき合いの勝負で、完全な一本負け。
技では自分が勝った。 でも、相手が出すまで、自分が持たなかった。
「ハァ、ハァ、・・・今度こそ、ヤベエと思いましたよ・・・」
高田が体を起こし、藤岡に声をかける。
「こ、これでわかったでしょう・・・俺の方が、強いっすよ・・・」
藤岡は、3度の敗北に力尽き、ぼうっと上を向いている。
キャリアも年齢も下の後輩に、自分が負けると最後まで認めたくなかった。
しかし、練習のマットで1回敗れ、さらにリングの上で2回倒されて、ついに心が折れた。
「ねえ・・・藤岡さん、聞いてんすか!」
藤岡がぼうっと声のした方を振り向くと、高田が仁王立ちしている。
「こんなに俺を追い詰めやがって・・・許さんっすよ!」
「おっ、おいっ、どうした!」
高田が藤岡の両足を抱え、いきなり上に持ち上げた。
「あんなヘンテコな技かけやがって・・・プロレス技がどんなもんか、教えてあげますよ!」
高田はそのまま藤岡の体をひっくり返し、一気に逆エビにひん曲げた。
「・・・ぐわあああああああっ!」
重量級の逆エビ固め。高田は藤岡の両足を両脇に巻き込み、強く曲げている。
重量級で頑丈な男だが、藤岡は小型だ。高田のパワーになすすべなく、きれいにエビ状にひん曲げられている。
今までで、こんなにひん曲げられたのは初めてだ。
「先輩! フェラでもしごきでも、プロレスでも、全部俺が上っす! わかったか!」
高田が、自分の下で反り上がっている藤岡の背中を、何度もケツで踏みつける。
「《ずんっ》ぐぅお! ・・・《ずんっ》ぐぅお!」
高田の下で、くぐもった悲鳴を上げている藤岡。
リングの上で、久々の公開処刑。 レスラー同士、リングの上では何をされても文句は言えない。
「先輩! もう俺には何をしてもかないませんって、言えや!」
高田は完全に調子に乗ってしまっている。いつもはおっとりした、気のいい中年男だ。
この男に、リングの上でここまでされるとは、藤岡にも予想外だった。
「先輩! 認めたら、許してあげますよ! どうすんすか?」
「お前・・・次の試合、覚えてろよ・・・」藤岡が、やっとのことで声を絞り出す。
「先輩・・・そんなこと聞いてないんすよ!」
高田が、藤岡の体の上でぐいぐいとケツを落とす。
「ぐわあああああっ!」
藤岡が、血走った目でコーナーポストのあたりを見すえる。
「先輩、ギブアップっすか? どうっすか?」
そういって、高田が少し曲げを緩めて返事を待っている。
ややあって、藤岡が、声をしぼり出す。
「ま・・・・・・・・・まいった・・・」
次の瞬間、高田がにやりと笑って藤岡を解放した。
「そうっすよ! 最初から素直になりゃいいんす!」
高田が藤岡の背中をぐいっと踏み、まだカチカチに硬直した竿を立ち揺らせながら、意気揚々と試合場を出ていく。
藤岡はうつぶせのまま、そんな高田の様子をぼうっと見送るしかなかった。