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土曜日の「T」。

今日は人が多く、とくにレギュラーの面子が数多く顔をそろえている。黒い競パン姿の男達が畳敷きの道場にたむろする。

そんな男達の輪の中に、すでに競パンをパンパンに膨らませた二人の男が向かい合っている。

今日はスパーリング大会。そういうプログラムがあったわけではないが、レギュラーがたくさん集まったところで門馬が機転を利かせたらしい。

互いに決め技を限定してその技の中で責め合い、相手がギブアップしたところでスパーリング終了となる。

すでに何試合か終了しているが、レギュラー選手同士は熱く、ギブアップルールで早く試合が終わってしまう。中でも初戦で重岡が大型の選手を3分でフィニッシュしたときは、なかなかの盛り上がりを見せた。

 

いまリングに立っているのは堀野。そして最近顔を見せていなかっ

た河井という男だ。

河井は落ち着いた男。実直なリーマンのような印象だが、ジムで鍛え込んでいるのか、175*85*36ぐらいで俺や堀野より一回り大きいガッチリ型。レスラー体型で背が低くもっさりした堀野に対し、寡黙で意志の強そうな細い目と五分刈りが鋭い印象を与える。

 

ド派手な決め技は少ないが責めには結構強く、ねちっこい責めで一回絡め取られるとなかなか抜け出せないこともあって、若手にはどちらかというと敬遠される方だ。

対する堀野は喉技と立たせ捕りを得意技とする攻撃型。俺もこないだは堀野と対戦し、さんざんレイプされて負けてしまった。

この堀野が河井相手にどんな試合をするのか、きっちりと見ておきたい。

 

堀野達のためにあけられたスペースは、約3メートル半の円。

ギャラリーの男達の鼻息がかかりそうな狭い空間で、門馬が勝手に決めた相手と放出ギリギリまで戦う。

すでに競パンを脱いだ堀野と河井。試合前とあって強く膨張した男根をブラブラさせながら足踏みを繰り返す。

 

「技何にします?」河井がやや上目がちに堀野に話しかける。

「うーん・・・」と堀野が少し考えた後、「左ポンプどうっすか」と応じる。

「いいっすね、わかりました・・・」

堀野の答えに河井がにっこりと微笑む。

 

「技きまりました?」門馬が河井の方を見る。

「ええ、左ポンプ固めで」

「わかりました。・・・じゃ・・・」

「今回の河井対堀野、フィニッシュホールドは左ポンプ固め!」

門馬が声を張り上げる。

「じゃ、組んでください。」

門馬に促されて、二人が69に組んで互いの左足を脇にしっかり固定する。

「よし、じゃ根元握って・・・」

二人が相手の太いマラをがっちりと右手につかむ。

「・・・いきますよー・・・・・はじめぃ!!」

二人がはじかれたように互いのマラを口につっこんだ。

 

 

「・・・・・・・」

がっぷりと組み、喉技の応酬。

うまい。河井は堀野の太い男根をやや下向きに曲げて強く立たせ、その先っぽに喉技を叩き込んでいる。堀野も流石に強く反応しないが、その効き様は何となく想像できる。

一方堀野も負けていない。河井の太い男根をがっぽりと喉におさめ、

太く脈の浮いた柱を強くバイブする。河井も反応こそしないが、固く膨らんだ赤黒い柱に堀野の技が絡まる様子は、端から見てても強く勃起するほど強い。

強烈な技の打ち合い。互いに相手のタマのあたりをじっと見据え、深いピストンを打ち込んでいる。

おたがい全く反応を見せない様子が、かえって試合の緊迫感を強く醸し出している。

 

・・・・

2分経過。 まだ試合に動きはない。

こっちから見えるのは堀野のタマと股間のスジ、そして赤黒く勃起した竿をくわえ、ねちっこく動く河井の頭だけ。

「んっ・・・・んん・・・・」

持久戦。ときおり両者の間から声が聞こえ、混ざる。

互いにフェラ技の名手。2分も相手の全力の技を食らっていれば、そろそろガマンが効かなくなる。

河井に大きく開かれた堀野の股ぐらの付け根のあたりの、タマ裏からアナルに至る線も、スジがクイクイと動いている。

河井の頭がぐんぐんと前後に動く。ときおり回し・・ひねり・・・。

 

 

・・と、そのとき、河井の頭が一瞬止まった。

 

(・・・あ・・・)

何事もなかったように攻撃を再開する河井。

・・・しかし、そこからの河井の責めが、どことなく遅い。

 

先ほどから続いていた、河井得意の強いピストン。

でも、今は微妙にその迫力が薄れている気がする。

(・・・効いているのか、河井さん・・・)

 

堀野の方に目を向けてみると、堀野はガンガン頭を振りたてている。

ふくれきった河井の肉柱を5センチぐらい覗かせて、喉の深いところで振幅の短いバイブを続けている。

その堀野の頭の横で河井の右太ももが伸び、また元に戻る。

 

もう一度河井の方に視線を戻すと・・・河井のピストンが、動きを止めている。

 

(・・・河井さん・・・)

 

 

ギャラリーの様子も変わっている。

「堀野! 攻め勝ってるぞ!」

堀野が河井の左太ももをがっちりホールドしたままグルングルンと頭を回す。

河井が堀野の亀頭をくわえたまま深く息をつく。

「効いてる効いてる! 河井さん効いてる!」

堀野が浅いところでバイブ技をかける。河井の股が開く。

「河井さん、頑張れ!」

声援に押されるように、河井がまたピストンを続行する。

堀野とのバイブ技の打ち合い。しかし、同じ技の打ち合いでは流れに乗っている堀野の方が断然有利に働く。

 

数秒もしないうちに、「あっ」と声を上げて、河井が頭を跳ね上げて反り返った。

「ダウン!」門馬が声を張り上げる。

 

オオオー、という歓声の中、堀野が狂ったように頭を振る。

堀野の口から河井の男根の柱が2センチぐらい覗き、他の部分は

深く堀野の喉に突き立っている。

「・・・おおおぅ・・・」

河井がつらそうに顔をしかめ、低く声を発する。

 

「ギブアップ?」門馬が河井に向けて怒鳴る。

「ノーノーノー・・・大丈夫っす・・・」 河井の声。

一見落ち着いて見えるが、抱え込まれた膝がかすかに震えている。

 

堀野の頭が不規則に動く。・・・立たせ捕りに入っている。

河井の体がゆっくりと前後に動く。「効いてないふり」が限界に達しつつあるらしい。

堀野のねちっこい責め。最近の堀野の十八番だ。

「・・・あああ・・・」

いつも寡黙で冷静な河井が、顔を真っ赤にして前方を見据えている。

 

ワーッとギャラリーが沸く。

「堀野さん、ギブ取れる! ギブ取っちゃえ!」

堀野のバイブが加速する。河井の自由な右足がバタンバタンと動く。

「・・・・くっ、あ・・・・」

河井のごつい顔が赤鬼のようになり、ハァハァと息をする。

クイクイと腰を動かしているが、レスラー堀野の太い腕にがっちりと左足を制され、思うようにもがくことができない。

堀野にくわえ込まれた河井の男根が太く勃起し、大きくスジを浮かせている。

追い込まれてからが強い河井だが、ここまで勃起させられてはそう

逃げられない。

(・・・河井さん、イクか・・・イクか・・・・)

 

しかしそこから3分、河井はひたすら土俵際で耐え続ける。

攻めている堀野の方にも疲れが見える。

無理もない。ねばり強い先輩を最大限の力で攻め続けて5分。

堀野のパワーを持ってしても、もがく河井の抵抗を抑え続けるだけでずいぶんなスタミナを消耗する。

「・・・・むんっ・・・・」河井が一声発すると、堀野の上反りに立った男根をがっちり持って口に持っていく。

《ぐちゅり》河井が一気に堀野のマラをくわえ込む。

不意を衝かれて堀野が腰をグインと突き上げる。

「おい堀野、逃がすな!」

ギャラリーの一人が手にメガホンを作って怒鳴る。

堀野の立たせ捕り。食らった河井が苦しそうに腰を回す。

「堀野バイブだ、バイブ!」

その声に押されるように堀野がバイブにスイッチ。

河井の腰がガクンと跳ねる。そしてその数秒後に河井がアッと声を

上げて河井が頭を跳ね、堀野の太マラをボロンとこぼす。

「ダウンッ!」門馬が声を張り上げる。

「よーし、その調子だ!」さっきのギャラリーのおっさんが再び

手でメガホンを作っている。

 

・・・よく見ると、平田だ。

 

平田は、先日の堀野戦でこそ堀野の不意の立たせ捕りを食らって

マットに沈んでいるが、本来は先月のレギュラー戦で河井とも当た

り、6,7分で河井を昇天させている実力者だ。

堀野は図らずも最大のセコンドを得た形になる。

 

再び堀野の立たせ捕り。「うぅーあっ」河井の頭がブンブンと揺れる。

「・・・・堀野、バイブだ!立たせ捕りに頼るな!」

堀野がバイブにスイッチ。「あっ」河井が力を緩め、体をねじって

頭をマットにつける。

「ほら河井のホールドが解けた!そのまま押さえ込め!」

平田のその声を聞いた堀野が、左ポンプの体勢のまま体をねじり、

河井の体を畳にねじ伏せる。

「・・・うっ、・・・ううううううんっ!」

河井が頭をばたつかせ、片足で懸命にブリッジを試みる。

しかし堀野の太い腕にロックされ、うまく行かない。

 

「ほら堀野、イカせろイカせろ!」

堀野のバイブ。浅いブリッジの崩れた河井の足が畳をずるっと滑り、

腰がマットと衝突する。

「・・・・うっ・・・・おおおおおおおおう!」

堀野に固められた河井のヒザが、わなわなと揺れる。

「・・・・かはっ・・・・ああっ・・・・」

河井はさらに顔を紅潮させ、大きく上の方を向きながらとろけた視線を前方に送る。

「・・・よし、きまったな・・・」

平田が太い腕を組み、ニヤッと笑ってみせる。

 

 

 

「・・・・おっ・・・ギブ・・・ギブアッ・・プ・・・・!!」

 

堀野の体の下から、河井の追いつめられた声が聞こえる。

「一本! それまでえ!」門馬が大きく右手を挙げる。

オオオッ、という声とともに、拍手が巻き起こる。

堀野が股間を大きく立たせながら嬉しそうに両手を挙げる。

対する河井はよろよろと立ち上がろうとしている。

少し、腰が抜けているのだろう。

「左ポンプ固め、一本勝ち!」門馬が堀野の右手を挙げる。

嬉しそうに堀野がその挙手に応じる。

 

河井はやっと立ち上がり、こっちの方に歩を進める。

しかし、畳の何もないところに足を引っかけ、ガクンと膝をつく。

「・・・河井、相当やられたなあ・・・」

平田が腕を組んだまま苦笑している。

 

 

門馬が次の相手を選んでいる間、しばし時間が空く。

「・・・いやあ平田さん、ひどいっすよお・・・」

やっと歩いてきた河井が、平田に話しかける。

「・・・何言ってんだ、俺が言う前から堀野にガクガクいわされてたじゃねえか。

・・・どんな助言があったにせよ、堀野は堀野の技でお前にギブアップをいわせた。

どっちにしろおめぇの負けだよ。」

平田にそういわれて、河井が苦い笑顔を浮かべながら歯を噛みしめる。

「・・・まぁ、俺もあいつにはやられたしな。あいつは強ぇよ。

もっと技磨かねぇと今度やったときはガチンコであいつにやられるぞ。」

平田の言葉に、河井がまた苦い笑みを浮かべながらウンウンとうなずく。

・・・やっぱり今回の敗戦はまぐれではなかったようだ。

 

 

「・・・ところで、寺田君・・・」

急に平田に話を振られて、俺がちょっと戸惑う。

「・・・えっ・・・」

「寺田君も堀野にやられてたよな・・・後で河井とやってみろよ」

俺と河井が顔を見合わせる。

 

「・・・いや、いきなりあそこで試合やれってんじゃねえよ、河井もさすがに試合はもういいだろ。ただ・・・」

平田がそこまで言って、こう言葉を継ぐ。

「・・お互い堀野に一泡ふかせてぇんだろうし、今の寺田君ならち

ょうど復帰したばっかりの河井といい勝負だろうよ。互いにフェラ

技の練習になるし、この河井は調子を取り戻せば結構強いからな。

河井のフェラに5分耐えられれば大したもんだぜ・・・」

 

まだちょっと戸惑った顔で、俺と河井が視線を合わせる。

 

 

でも一瞬で河井の表情が緩む。

「あいつに負けた俺とじゃ、練習にならねえと思ってんでしょ・・・」

目尻にシワを寄せながら、河井が言う。

「・・・いや、そんなワケじゃ・・・」

「いや、いいんすよ・・・でもね、俺も久しぶりであの堀野って奴に呑まれちまったけど、

もう少し調子上げれば、俺もなかなかのもんすよ。」

こういって、俺の表情を面白そうに眺めながらさらに河井が言葉を続ける。

「・・・俺もそろそろ復帰しようと思ってるし、ガンガンやれる奴

探してたんですよ。寺田君なら負けん気強そうだし、ぜひ頼みますよ。」

河井がそういったところで「赤、寺田選手!」と門馬から声がかかる。

「おっ、これから試合か!」河井が声を上げる。

「白、工藤選手!」続いて門馬が名前を読み上げる。

名前を呼ばれて、輪の向こうの方で一人のコワモテ髭面の男が立ち上がる。

 

「おっ、工藤か・・・寺田君あいつ知らないでしょ、あいつポンプ強いぜ・・・」

河井がそういって眉をクイッと上げる。

「でも亀頭の左の方が弱いから試してみな。俺はいつもそれで勝ってるから。」

思わぬ河井の助言を得て、「ありがとうございます」と素直に頭を下げる。

 

 

「俺とやるんだから、倒してこいよな」「うっす」

河井に肩をポンと叩かれて、俺はさっそく試合場に向かった。

 

(工藤戦は、また後でアップします)

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