「・・・・あっ・・・・あっ・・・」
シャワーを浴び終えてシャワールームを出ると、すでに次の試合が佳境に入っている。
たしか、好井対丸山の試合だ。
「・・・ぐっ・・・」
一方の男が相手の股間深くに頭を入れて細かく動かし、もう一方がすでに股間を放して
額をマットに着けて喘いでいる。
二人とも背の低いがっちり型で、一目見ただけでは見分けがつかない。
しかし額をマットに着けている方の背中の筋肉の盛り上がりを見る限り、やられているのは
どうも丸山のようだ。
「・・・ハァッ・・・ハァッ・・・」
リングサイドまで近づいてその顔をのぞき込むと、やはり丸山だ。
丸く大きな目でマットの一点をぼうっと見つめ、相手の強烈なバイブに体を震わせながら
懸命に呼吸を整えている。
顔だけ見るとさほど効いていないように見えるが、試合で少しでも相手に不利を悟られたく
ないときは、選手は誰でも極力効いていない顔をよそおうものなのだ。
しかし、少しでも好井が頭をしゃくったり浅く亀頭を洗ったりする度に、丸山はキツそうに
ぎゅっと目を閉じ、大きく息を吐き出してしまう。
好井の頭を強く挟む太ももはピクピクとスジを浮かせて震え、右足の先もくすぐったそうに
マットを掻く。
誰がどう見ても、丸山は強烈に効いている。
あまり態度を表に出さない丸山がここまで反応しているということは、やはり相当やられているようだ。
「・・・・・・」
マットの上、見せかけの沈黙が支配している。
好井が丸山の太いモノを深くくわえ込むと、丸山の腰がグンと跳ねる。
丸山が身を縮めるように頭を屈ませる。
まだ上反りに勃起した好井のマラの根元に、丸山の額が押し当てられる。
「・・・ぐっ・・・うううう・・・」
好井の強烈なバイブ。 丸山の押し殺したようなうめき声が会場に響きわたる。
丸山は亀頭がブリッと張り出し、受けも相当強い選手だ。
下手な若手がガンガン責めても、平然と逆に責め返して若手を踊らせる。
俺もこの間のリングで、あわや放出負けという窮地に何度も立たされた。
その丸山が、リング中央でここまでの効き様をさらしている。
丸山と好井に、ここまでの実力差があったのだろうか
・・・つかの間の沈黙。
リング中央で頭をするどく上下させる好井と、腰をピクピクいわせる丸山以外、誰も動かない。
ふたたび好井が丸山の股間に頭を埋める。
オオオオオオオゥッという叫び声とともに、丸山がガバッと身を反らす。
強烈なダウン。オオー、という会場のざわめき。
温和な好井がここまでの強引な責めを見せることは少ない。
「・・・・・・・・!!」
好井が丸山の左足を、自分の左脇に抱え込む。ポンプ固めだ。
丸山の股ぐらが大きく開かれ、自由になった右足が好井の耳を擦りながらバタンバタンと動く。
完全に反り上がった丸山。口を真一文字に結び、震えながら真っ赤になって鼻で息をしている。
「ギブアップ? ・・・ギブアップ? ・・・」
レフェリーが丸山の前に伏せて、同じ言葉を繰り返す。
丸山は反り上がったままブンブンとかぶりを振っている。
「・・・ぐっお・・・・・ノーノー!!」 丸山の怒ったような声。
しかし、それから10秒ももたなかった、
「・・・あっぐうっ・・・ギブアップゥゥゥ!!」
丸山がの、追いつめられたような声。
カンカンカンカンッという激しいゴングの音と共に、好井が口を放す。
・・・・きまった。 好井の一本勝ちだ。
好井の体の下で、ビクンッ、ビクンッと丸山が痙攣している。
しかし、ザーメンが出てこない。
コンマ何秒のタイミングで、ギブアップを早く言ってしまったのだろう。
好井が、丸山の亀頭をべろっと舐める。丸山の体がビクンと反応する。
さらに好井が丸山のマラを深くくわえる。
「・・・あっ・・・」「・・・あっく・・・・」
好井が頭を動かすたびに、丸山のくぐもった声が聞こえてくる。
4,5回のピストン責めの後、好井が浅くぐるんと頭を回す。
「・・・あああっ・・・」丸山の絶望的な声が響く。
ごつい手が好井の頭を股間から引っぺがす。丸山の白く粘っこいザーメンが噴出し、
好井の胸板あたりにジュッ、ジュジュッとかかる。
ワーッと言う歓声。好井が丸山を強烈なフェラ技で圧倒し、ギブアップとザーメンを奪った。
丸山が悔しそうにドンとマットを叩く。悔しさと、自分の不甲斐なさへの怒りと半々だろう。
「試合時間12分5秒、片ポンプ固め、・・・勝者、好井!!」
レフェリーが高らかに怒鳴り、立ち上がった好井の右手を高々と上げる。
好井は相手の返り汁を胸にべっとりと付けたまま、顔をほころばせて右手を挙げられている。
丸山は試合時の寝姿勢に体をかがめたまま、痙攣がおさまらずにビクン、ビクンと動いている。
無表情にマットの端を見つめたまま、しばらくぼうっと体を横たえていた。
しばらくして、丸山がリングを降りてくる。
通路の端にいた俺と目が合い、苦笑しながら俺のところに歩いてくる。
「いやあー・・・負けちゃったっすよお。」
「負け仲間」の俺と今の境遇を慰め合うように、肩をぽんぽんとたたき合う。
「好井の野郎、こないだ俺が激しい勝ち方したもんだから、リベンジ狙ってたんすねぇ。
あんなえげつない好井の責め、初めてだったっすもん。練習したんだろうなぁ。」
丸山がまたさっきのような苦笑を浮かべながら、腰に両手を当てて軽く下を向く。
「おかげで、みごとにギブアップ負け食らっちまったっすよ。くっそぉ・・・・」
きわどい赤いビキニに覆われた太い男根が、くっきりと形を見せている。
「ちきしょう、またたっちまった・・・んじゃ、シャワー浴びてきますんで!」
丸山が軽く会釈して、シャワールームに消える。
ルームの中から「この野郎っ」という声と共に、二人の笑い声が聞こえる。
好井の、目の覚めるような圧勝。丸山にリベンジを果たして、次は俺かも知れない。
俺があのリング中央で、好井の片ポンプを食らってガクガク震える姿が目に浮かぶ。
(おい、なに弱気になってんだよ・・・)
俺は心の中でそう自分を叱り飛ばしながら、黒いビキニの中でむくむくと鎌首をもたげてきた
自分のマラをじっと見つめていた。