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俺は、リング場端っこの壁に寄りかかって、試合を見ている。

 

今やってるのは、3試合目。

フレッシュマンクラスの人間か、見たこともない若い二人が、熱戦を繰り広げている。

二人とも歳の頃にして20代半ば。若い頃鍛えられた体がまだ熟しておらず、初々しい。

がっぷり四つに組んでマラを半ばまでしゃぶり、小刻みに頭を揺らしている。

 

二人とも柱はほどほどに太く、逞しくくっきりと青スジを浮かせている。

あの硬直加減なら技も効いているだろう。

しかし、両者とも顔を紅潮させながら衰えぬ勢いでマラをしゃぶりあっている。

 

「がんばれー!」

「そうだ松井、もっと先っちょを狙え! そうだ!」

声援もフレッシュマン軍団から聞こえてくる。

もうこのカードは定番なのだろう。二人とも落ち着いた感じでひたすら一直線に責めている。

ライバル同士か・・・一歩も引けない雰囲気が手に取るように分かる。

 

とんとん、と肩を叩く者がいる。

振り向くと、堀田だ。

 

「あっ、ども」一瞬視線が絡み合う。

近くで見ると、堀田は俺よりすこしだけ背が高い。

端正な中にも眉が太く、勝ち気な印象と落ち着いた雰囲気を同時に与える。

黒いビキニ競パンの上に青いTシャツを着ていて、体の線はよく分からない。

でもさっき見た限りでは、俺より若干細いながら、必要な筋肉はしっかりとついている。

俺も4、5年前は、ああいう体をしていただろうか。今はすこし腹のあたりが怪しい。

 

「次の試合、よろしくお願いします。」堀田が手をさしのべてくる。

俺ががっちりと握り返す。下を見ると、堀田の青いTシャツの下部に、くっきりと棒状の

ふくらみが見える。

試合前だからしかたがない。俺の赤いTシャツも同じぐらいふくれている。

「よろしくったって、試合になりゃ思いっきりイカせにくるんだろ?」

水を向けてみると、堀田がすこし口元をゆがめて笑う。

「イカセにいきます。俺もせっかくのデビュー戦、勝ちたいっすから。」

 

「勝ちたかったら、こいつに相当頑張って耐えてもらわないと難しいんじゃねぇのか?」

俺が青いTシャツのふくらみを指さす。堀田が何か嬉しいことを言われたかのように笑う。

「そうならないよう、できれば早い時間で終わらせたいっす。」

俺は堀田とぐっと視線を合わせる。堀田もその視線をまっすぐ受け止める。

・・・しばらく、視線を合わせたまま時間が過ぎていく。

 

 

「あぅっ・・・」

 

二人の間の静寂を破るように、リング上から声がする。

振り向くと、一方の選手が反り上がって額をマットに付けている。

「ダウンっすね」堀田がつぶやく。

 

 

「松井ー、下手にもがくな! ゆっくり力を抜けー」

リングサイドのざわめきをよそに、レフェリーが反り上がった選手に覆い被さるようにして

様子をうかがっている。

ギブアップを確かめているのだろう。レギュラークラスにダウンルールはない。

 

「俺からダウン取ったって試合には勝てないぜ」

「きっちりギブ取りますよ。そのための訓練もしてるんすから。荒井さんご存知ですよね」

そうなのだ。荒井もこの男にザーメンをしぼり取られて負けている。

 

「あれ見てくださいよ。」堀田が右手でリングの方を指さす。

さっきダウン状態から回復した男が、また頭を跳ね上げるように頭を反らす。

「く・・・・う・・・」男が足をふるわせながら、顔をゆがめて浅く息をついている。

 

「ダウン取るだけじゃないっす。ああやってゆっくり追いつめていくんすよ。」

男は太ももをせわしく開閉しながら、あさっての方向を見つめて呼吸を整えている。

「あの男もガマン強いっすけど、いったんああなるとなかなか逃げられないっす。」

男が体をゆさゆさ揺らしながら、腰を左右に振る。

相手がそれを遮るように股間に頭を突っ込む。男の膝がピンと伸びる。

 

「最初はくすぐったくてダウンするだけなんすけどね、何度もダウンしてるうちにだんだん

逃げられなくなっていくんですよ。」

そう言っているうちに、男の痙攣の速度がだんだん速くなっていく。

・・・すこしずつ、のぼりつめているのか。

「あれを、なんて言うと思いますか?」堀田が俺の目をじっと見つめる。

 

「・・・『立たせ捕り』って、いうんですよ。」

 

グチュグチュグチュという摩擦音が、次第に高くなっていく。

どうやら、フィニッシュホールドに入っているようだ。

「・・・ぐっ、うーん・・・・」

男が腰をぐいぐいと突きながら、足を内股にすぼめていく。

「・・・・かっは・・・・・あ・・・・」

 

 

ややあって、「・・ギッ、ギブ・・・」という細い声が聞こえる。

相手が体をはなすとほぼ同時に、仰向けに転がった男の太マラから白いザーメンがどくん、

どくん、と勢いよく噴き上げた。

 

「一本! それまで!」

レフェリーの一声とともに、ワッと言う歓声が響きわたる。

 

「強烈っすよ、俺・・・」

堀田が低い声で俺にささやいた。

リング上で、今ザーメンをしぼり取られた男が悔しそうにばんとマットを叩く。

まだ体の痙攣がおさまっていない。最後まで耐えたのだろう。

 

「・・・じゃ、リングで。」堀田が手を差し出す。

「五分でいくなよ」「寺田さんもっすよ」

俺は声がうわずりかけるのを理性で抑えながら堀田の手をがっちりと握り、にんまりと笑った。

 

 

レギュラークラス、第4試合。いよいよ俺たちの出番だ。

先ほどの試合の興奮もさめやらぬ中、俺と堀田がサイドロープをまたぐ。

リング上ではまだ赤パン姿の係員が、タオルでさっきのザーメンをぬぐっている。

俺は少しでも試合前の勃起をさまそうと、トントンと足踏みしながら開始を待っている。

 

レギュラー戦三試合、すべて豪快なKOで決着がついている。

ここに来るのは腕に覚えのある者同士、長時間耐えられるわけがない。。

レギュラーはデビュー戦に当たる若造と俺、一対一のいかせ合い勝負、

この男の責めを受けて、10分耐えれるかどうか。

「立たせ捕り」・・・俺の脳裡に、さっきの試合の男の官能にゆがんだ顔がチラつく。

 

堀田の方は視線を落とし、ゆっくりと左右に体を揺らしながら開始を待っている。

もうTシャツは着ていない。俺の予想通り、締まった身体をなかなかいい筋肉が覆っている。

リラックスしているようだが、股間のふくらみは左向きにはち切れんばかりだ。

ちょっと脂の乗った俺の方が、身体のフレームはでかい。・・・堀田に無言のプレッシャーを掛ける。

 

・・・立たせ技は、俺も得意とするところ。レギュラーのプライドにかけて、この試合は取りたい。

まず10分間耐える。・・・その間に、何とかしたい。

 

俺はぽんぽんと跳ねながら、堀田のふくらんだ股間を見つめる。

「堀田頑張れ! いかせろよ!」

どっかのオッサンの声に堀田の顔が少し緩み、後ろに手を挙げてみせる。

 

互いに競パンを脱ぐ、 堀田の勃起したモノが俺の視界の中でブルンと跳ね上がる。

やや上反りぎみのマラに、ぶりっと皮の張った亀頭が俺の方を向いている。

立派なものだ。これなら多少のきつい責めには耐え抜くだろう。

レフェリーに促されて、リング中央に進み出る。

俺と堀田の顔と顔、マラとマラが対面する。

 

堀田の顔をじっと見る。堀田も俺の目から視線を放さない。

あふれる闘志はさほど感じない。むしろ落ち着いているようにも見える。

俺なら倒せると踏んでいるのだろうか。・・・この、レギュラーの初リングで。

心の奥からわき上がる思いを、ぐっと噛みしめる。

・・・そうだ。こんな若造の挑発に乗ってはならない。

 

 

レフェリーの指示に従い、69の形に寝転がる。

堀田の上反りマラが、俺の目の前に突き出される。

(こんなに立てやがって・・・2分で落としてやろうか)

てかてかに光った亀頭の先を見つめながら、試合開始のゴングを待つ。

(・・・頼むぜ・・・もってくれよ・・・)

 

 

<カーン!>

《ぐちゅり》

開始のゴングと同時に、俺たちは一斉にマラを呑み込んだ。

 

 

「・・・・・」

 

静かな立ち上がり。互いに最初はゆっくりと頭を動かす。

堀田の亀頭の淡い塩味が、口いっぱいに広がる。

鈴口のあたりを、えぐるように舐め、喉の奥で2回、3回と撫で上げる。

堀田の太ももが心持ち強く締まる。押し入るように頭を進める。

(レギュラーの味もいいだろ、堀田くんよ)

ずん、ずんと頭を進めながら、ときおりユサユサと揺すってみる。

堀田の右内腿のスジが軽く浮く。俺はそのスジを見つめながら、ゆっくり頭を回していく。

(ようし、まずはいい調子だ)

 

 

堀田の方は、俺の自慢のマラを口全体でくわえ込んでいる。

肉棒の奥まで温かいものが包み込み、全体で運動している。

吸い付くような感触と、ぐちゅっぐちゅっという軽い音。

さすがはフレッシュマンのチャンプ、マラが呑み込まれそうな錯覚を覚える。

俺は鼻でゆっくりと呼吸を整え、脳裡をよぎる官能の芽を摘んでいく。

 

(敵はフレッシュマンのチャンプだ・・・気を抜くなよ・・・)

緩やかに時間が過ぎゆく中、俺は俺はゆっくりと堀田の亀頭を揺さぶりながら、

ぐいぐいと股間に頭を突っ込む。

堀田の両膝を手でつかみ、軽く股を開きながら丸い亀頭の付け根を舌ではじく。

もう一度右太腿のスジが動く。次は頭を左に・・・

 

 

・・・このときだ。

 

《ぐりっ》

堀田のざらついた舌の感触と共に、俺の脳裡にきつい官能が走る。

 

(!!)

不意を突かれた俺が腰をぴくんと跳ねる。

 

 

(・・・しまった)

それを合図に、堀田が俺の股間に強く頭を突っ込む。

ごりごりという舌の感触と共に、俺のマラ先から強烈な信号が伝わる。

たまらず鼻息を大きく吐き出す。

《ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ》

短い振幅で、堀田のするどいピストン運動が俺のカリ首を強くこじる。

(うーん)

俺は両膝をしめ、鼻でフッフッと息を整える。

 

「堀田ぁ、先輩の口が止まってるぞ! 責めろ責めろ!」

さっきのオッサンの声であわてて責めを再開する俺。

でも、うまく堀田のカリが引っかからない。

《ずんっ》《ずんっ》

俺の亀頭の先が堀田の喉奥に強く突っ込まれる。腰がたまらず反応する。

 

「ダウンさせろ、堀田!」

《ずん》  《ずん》

堀田の喉が俺の亀頭の粘膜を優しくからめ取る。

(・・・ぐへっ・・・)

軽く腰を引く。 堀田がついてくる。

《ぐりん》

堀田の頭が回転し、俺の亀頭全体をなで斬りにする。

《ずん》  《ずん》

堀田の責めが止まらない。思うように、息を整えられない。

 

「・・・おうっ!!」俺はたまらず口を放した。「・・・よっしゃダウーン!」オッサンの声が響く。

 

それに乗じるように、堀田が俺を責め立ててくる。

《ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ》

堀田のするどい責め。裏スジのあたりを集中攻撃してくる。

レギュラー試合でも使われる技、いつもならこらえ切るところだが、試合開始から硬かった

俺の男根が情報を逐一脳に伝えてきてしまうため、快感をうまく逃がせないのだ。

 

俺の股ぐらを両腕でガッチリと固め、5センチほどの距離を置いてグチュグチュグチュと

高い音を立ててくる堀田。

動き自体は雑だが、俺の官能をがっちりと捕らえて放さない。

(ハァッ、ハァッ、・・・・)

大きく口を開けて、快感を吐き出すように呼吸する俺。

 

「レフェリー! ボサッと突っ立ってねぇでレギュラーの兄ちゃんのギブアップ聞いてやれよ!」

オッサンの余計な一言で、俺の視界をレフェリーの大きな体がふさぐ。

「ギブアップ? ・・・ギブアップ?」

せっつくように聞いてくるレフェリーの声に、俺はひたすら頭を横に振って応える。

「兄ちゃん無理すんなよ! 堀田の喉に出しちまうぞ!」 オッサンの声が覆いかぶさる。

 

俺は目をかっと見開き、口を開けてひたすら酸素の取り入れにいそしむ。

俺のマラはガッチリと立ち、勢いよく堀田の喉に突き刺さっている。

(くっそ、回復できねえ)

堀田はますます調子に乗って、俺の股間の前でガンガン頭を振っている。

若さの力。もう3,4分ラッシュしているのに、いっこうに動きが落ちない。

 

 

(・・・ぐおおお・・・)

俺の太腿ががくがくと揺れ、堀田の頬に当たってパンパンと音を立てる。

「どうした兄ちゃん! タップかあ?」

レフェリーが俺の前に再び立ちふさがる。

(うるせぇっ)俺は手でレフェリーの声を振り払う。

(・・・ぐっ・・・・おっ・・・)

俺は堀田の頭の動きに耐えながら、ひたすら時間の経過を待つ。

堀田の技は強烈だが、まだ俺からザーメンをしぼり取るほどではない。

(・・・うっぐ・・・)

俺は頭を振って快感を振り払いながら、ハーッハーッと息を繰り返す。

 

 

俺が堀田の股間に戻ったのは、それから1分後だ。

「がーっ、惜しぃーっ!」

オッサンの声と共に、堀田も右手をばんとマットに叩きつける。

(・・・この野郎・・・なめやがって・・・)

俺は顔を紅潮させながら、神経を堀田の亀頭に再び集中させる。

 

さすがに俺の技が決まっていただけあって、堀田のマラはまだ半分立っていた。

頭をぐるんぐるんと回して、ひたすら立たせる方向に持って行く。

さすがに堀田のマラは若く、硬度をどんどん回復していく。

(・・・まだまだ・・・試合はここからだぜ・・・)

堀田のカリに舌を這わせ、外濠を固めていく。

俺の方は大きな波の後だ。若干の時間の余裕がある。

(今のうちだ・・・でも完全に固める余裕はねえ・・・)

俺の腰の奥のマグマが、堀田の舌によってどんどん水位を上げている。

(・・・さがせ・・・どう責めりゃこいつは・・・)

 

俺の舌と喉が、代わる代わる堀田のでかい亀頭に絡みつく。

ときどき堀田の尻が動く。くすぐったいようだ。

(・・・ここじゃねえ・・・どこだ・・・)

 

堀田のマラを強く押し下げて固め、ねちっこく責め上げる。

(・・・くっそ・・・わからん・・・)

俺のマグマが上がってくる。また回復できる見込みは少ない。

(・・・負けたくねぇ・・・こんなガキに・・・)

俺のガマン汁がどんどん染み出しているのが分かる。今ごろ堀田の口の中はすごいことに

なっているはずだ。

(・・・くっそ・・・だめか・・・)

 

 

その時、堀田の腰がぴくんと動いた。

(?)

もう一度動かすと、ぴくん、ぴくんと反応がある。

 

(・・・・・・ここかっ)

《ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ》

片ポンプ固め。堀田の左足をガッチリと抱き込み、強くバイブをかます。

 

堀田の右足がピンと伸び、カクカクと動く。

(よしっ、効いている)

俺は堀田の股間に頭を突っ込み、力まかせにガンガンと動かす。

亀頭の横っ面に舌を絡ませ、ぐいっ、ぐいっ、ぐいっと頭を振る。

堀田の腰が跳ねる。

 

《ぐいっ》

 

《ぐいっ》

 

《ぐいっ》

 

「おうっ!」

堀田が口を放した。

 

(よっしゃ)

渾身のバイブ。軽く反った堀田の上体を両足で固定し、目の前で元気に立ち上がったものを

ぐいぐいと責めたてる。

「・・・あ・・・あはっ・・・・」俺の耳の横で、堀田の左足が揺れ動く。

堀田の股間から、かちかちに硬直した男根が強く突き立っている。・・・その様子をまじまじと見ながら

ねちねちと頭を振り続ける。

 

「・・・ぐっ・・・・・お・・・・」

俺の突き立った太マラとタマを頬に押しつけながら、堀田が耐えている。

反り上がってダウンしていないだけ、堀田には気力が残っている。

それを、削り取ってやる。レギュラー仕込みの濃密なテクで、堀田の足を震わせる。

(・・・・どうだ・・・いきたいだろ・・・)

「・・・・が・・・うんっ・・・・」官能の声を上げながら、俺のマラをがっちりと堀田がつかむ。

 

(・・・・しゃぶらなくていい・・・・そのままいけよ・・・・)

堀田のケツを左手で支え、ぐぽっぐぽっと亀頭を洗う。堀田が股を広げてあえぐ。

 

しかし、次の瞬間、俺のマラを再び温かいものが包んだ。

《ぐちゅり》

(なにっ)俺の膝がぴくんと動く。

次の瞬間、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅと激しい運動が襲いかかる。

 

(・・・ぐうおおおおっ・・・!)

 

 

必死に俺も頭を動かす。堀田のケツを持ち、ありったけの技を叩き込む。

堀田の腰がよじれる。・・・しかし堀田の攻めは止まらない。

堀田のねちっこい口。俺の無防備な亀頭に絡まり、強く吸い付く。

「・・・んんっ・・・」たまらずガクガクと腰を振る。

「よしっ、チャンスだ!」歓声に混じっておっさんの声が聞こえる。

堀田の頭がぐるんと動く。 舌が裏スジのあたりをズルンと撫でる。

「あうん!」たまらず俺が跳ね上がるようにダウン。

フレッシュマンのあたりから歓声が聞こえる。堀田の再逆転だ。

 

ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅと高い音が響く。堀田の強烈な抱きつきポンプ固め。

俺は額をマットにつけ、ぶるぶる震えながらその音を聞く。

「・・・ぐうおっ・・・」

震える足。俺の腰がわなわなと震えている。

 

「ギブアップ? ギブアップ?」

レフェリーの声も上の空に、俺は全身をピクピク痙攣させる。

「おっとーせ! おっとーせ!」

フレッシュマンあたりの声援だろう。ブンブンと頭を振りながら上の空にその歓声を聞く。

(・・・負けたく・・・ない・・・)

官能がボコボコとわき上がる中、俺はひたすらその言葉を念じる。

 

しかし、俺の理性を支える堤防は、もう限界に達しようとしている。

(・・・くっ・・・・・あ・・・・)

堀田が股間にするどく斬り込む。明らかにイカセにきている。

(あーーーっ)俺の足がバタバタ動く。堀田の耳たぶが太腿にこすれる。

俺は顔をゆがめて右上を見る。フレッシュマンの奴らが、俺の顔を見て喝采している。

赤パンのオーナーがデジカメを向けている。 (くっそ、撮るな)カチリとシャッター音。

(・・・い・・・・いっ・・・・ぐ・・・・・・・)

俺は内股に太腿をすぼめながら、一気にのぼりつめる。

 

 

「・・・・あうっ・・・ギブッ・・・ギブアップ・・・・!」

 

俺のふりしぼるような声に、レフェリーが両手を頭上で大きく振る。

カンカンカンとゴングが鳴り響く。ワーッと歓声が響き、俺に覆い被さっていた堀田の体がサッと引く。

俺はごろんと仰向けに転がり、その上にどくん、どくんと温かい液体を噴き上げる。

きまった。 ・・・抱き込みポンプ固め。堀田の昇天KO勝ちだ。

 

「よっしゃぁ!」堀田がすっくと立ち上がり、大きくガッツポーズをする。

フレッシュマン達が続々と上がってきて、デビュー戦KOを飾った堀田選手を祝福する。

堀田は歓談しながら、俺の胸板に右足を乗せている。

鍛え上げて生ゴムのようになった胸板だ。踏み心地はいいだろう。

 

そんなことをしている間も、俺の痙攣は止まらない。

リング上に荒井や丸山などが心配そうに上がってくるのが視界の隅に見える。

喜びに沸くフレッシュマンと、新人の強烈なフェラに負け、太マラおっ立ててピクピク昇天してる俺。

(とんでもねぇ好対照をみせちまったな)

ピクピクと腿を動かせながら、俺はそんなことばかり考えていた。

 

 

 

「試合時間9分25秒、抱き込みポンプ固め!・・・勝者、堀田!」

レフェリーが高々と堀田の右手を挙げ、堀田がマラを立てたまま嬉しそうに両手を挙げている。

(・・くっそ・・・10分耐えられなかったか・・・)

さっきとは別の悔しさが身を焼いてくる。

 

タオルをもらってザーメンに汚れた自分の体を拭き、マットに飛び散った部分もきれいに拭う。

黒競パンを手に取り、出すものを出して力を失ったマラを元通りの位置に直す。

 

まだ競パンを履くのに苦労している堀田を待ち、掃き終わったところを見定めて肩を叩く。

「よお・・・堀田君、まいったぜ。」

自分から手を差し出し、堀田とがっちり握手する。

下を見ると、堀田の勃起した太いモノが競パンを持ち上げ、軽く中身が見えている。

「くっそー、こいつをうまく履ける形にしてリングを降りさせてやりたかったけどな。」

そういってやると、堀田がハハハと明るい声を上げて笑う。

「寺田さんの技もきつかったっす。ダウンしちゃったし・・・ぜひ今度リベンジ戦をやりましょう。

 俺も今日完全に勝ったと思ってないっすから。」

・・・優等生的、満点の勝者コメントだ。

「この野郎、その余裕のコメント言えないようにしてやるからな。」

そう言って、軽く堀田の胸板を拳でこづく。

なかなかよく鍛えられている。俺の拳に心地よい弾力を感じる。

 

ふと堀田の左手に持っているものに目がいく。

見せてもらうと、さっきオーナーがデジカメで撮った写真のようだ。

さすが、オーナーは仕事が速い。それにしても店にパソコンとプリンターまで置いているのか。

写真の中で、堀田が俺を強烈に攻め込んでいる。

俺の強く勃起した太マラを曲げんばかりの角度で堀田が首を振り、俺の方はというと

大きく上に向かって体をねじり、眉間にシワを寄せて強烈なよがり顔を見せている。

「くっそー・・・デビュー戦のいい思い出作らせちまったな。」

俺が写真を見つめながらボソッとぼやく。

 

「次はリベンジ戦の最悪の思い出作らせてやるからな。次やるときはカメラ持ってこい。」

「うす。楽しみにしてます。」

俺と堀田は、リングの上でもう一度がっちりと握手を交わした。

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