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021  渡辺vs堀野

 土曜日。 ・・・試合当日だ。

午後7時半過ぎ、「T」のドアを開ける。

レギュラークラスの試合開始時間だ。

俺と堀田の試合は4番目だから、まだ十分時間がある。

扉を開けると、すでに第一試合の堀野と渡辺がリングに上がっている。

堀野は最近試合に勝っていない。先週は竹下に敗れ、今週火曜日は堀田にも壮絶な

ギブアップ負けを喫した。

 

渡辺も、弱い敵ではない。

先週は田中をポンプ固めではげしく踊らせ、ザーメンを搾り取った。

調子を上げている男だ。リベンジ戦には厳しい相手かも知れない。

 

 

ロッカールームで背広を脱ぎ、ハンガーに掛けていく。

こうやって一人のレスラーになっていく瞬間が、俺は好きだ。

靴下をロッカーに放り込み、バッグから黒いビキニを取り出す。

俺が試合に使う、唯一のコスチュームだ。

タオルを持って、ペタペタとシャワールームに向かう。

扉の向こうでカーンという乾いた音と共に、ワーッと言う歓声が沸く。

試合が始まったようだ。

 

シャワーを浴びながら、自分のマラに目を落とす。

今日の相手は強そうだ。攻めも厳しいものになるだろう。

・・・このマラが、その攻めに何分耐えてくれるだろうか。

想像が膨らんだせいか、俺のマラがむくむくと勃起してくる。

 

体を拭き、シャワールームを出る。

さっそくロッカーに置いておいた黒いビキニに足を通す。

股の切れ上がった、布地の少ないビキニ。強い布地だが、勃起すると少し危なっかしい。

据えつけられた大きな鏡を見る。

柔道で鍛えた少し脂ののった筋肉質の体の、中心部のみ黒い布地が覆う。

右足につけたロッカーキーと、この黒ビキニ。リングに連れて行くのはこの2つだけ。

こんな無防備な格好で、3m四方の小さなリングに立ち、敵と向かい合う。

最後まで守りきれるかは、俺と堀田の腕しだい、相性しだいだ。

 

「おっ、こんちは!」

明るい声に振り向くと、赤いビキニ一丁のオーナーがにこにこ笑っている。

「今日もがんばって下さいね。もうみんなほとんど来てますよ。」

「すいません、ちょっと仕事が終わらなくって・・・」

頭のはげ上がった脂っこいおやじだ。マラもそこそこでかく、絶倫の精力を湛えている。

さすがにこんな道場を開くだけあって、持久力もテクニックもダテではない。

 

「相手は堀田君でしたね。盛り上がりますよー、彼も強いから。」

「・・・そんなに強いんですか?」

強いことは見たから知っている。でもオーナーの口から改めて聞くと心配になる。

「強いですよ。・・・彼、木曜日も来てたんですけど、ほら、荒井さんっているでしょ。」

「ええ。・・・荒井さんが何か?」

「・・・うん、堀田君が荒井さん相手に豪快な勝ち方をしましてね。」

「!?」

思わず目を見開く。俺自身、荒井との戦績はかなり悪い。

その荒井に、堀田が・・・

「ま、ルールのせいもあるんですけどね。木曜日って、ほらアレじゃないですか。

 ・・・詳しいことは荒井さんから聞くといいですよ。」

中途半端にごまかされると、かえって気になってしまう。

 

「ああ、そうそう、今日からちょっとルールが変わるんですよ。」

「ルールですか?」

「ええ。まあ大した変更じゃないんですが、フィニッシュの仕方で。」

「・・・フィニッシュ・・・」

「最近口に出させる終わり方に抵抗がある人が多くなりましてね・・・おとといから

ぜんぶ外出しになったんですよ。ギブアップ制で。」

「寸止めじゃなく、外出しのギブアップっすか?」

「難しいですけどね。ヤバい、と思ったら口放して、声出して『ギブアップ』と、

はっきり言って下さい。ギブアップが間に合わなかったら自分から腰を相手から放して、

出しながらでもいいんで、必ず『ギブアップ』は言ってもらいます。」

「わかりました。」

いちおう同意は口にした。しかし今の俺には複雑な心境だ。

「すいません、あんまり試合前の人間にギブアップの話したくないんですけどね。

 試合っちゅうのは何があるか分からないから。」

表現に気を遣ったのだろう。・・・まあ、それぐらい堀田は強いってことだ。

「うん・・・まあ、頑張って。」

そんな空気を振り払うように、オーナーはにこっと笑い、最後にぐっとガッツポーズを

作って見せた。

 

 

オーナーに会釈したあと、道場の扉を開ける。

リングの中で、一人の男の足がばたついているのが見える。

グリーンの競パンが太い足首に掛かってパタパタと揺れる。・・・あれは、堀野の足だ。

 

「・・・んっ・・・んっ・・・」

リング中央。渡辺が堀野に左ポンプ固めをかけている。

堀野が腰をしゃくっている。・・・うまくペースをつかめないようだ。

 

「・・・んっ・・・おっ・・・んっ・・・・・」

渡辺の股間から距離を置き、堀野が不規則に頭を振っている。

渡辺の太い柱を目の前にして、心持ち上向きになってハァハァと息をついている。

渡辺お得意の喉フェラだ。堀野の逞しい尻がピクピクと動く。

強烈にきまっているが、なんとかこらえている様子だ。

 

渡辺に抱え込まれた堀野の左足が軽く膝を曲げ、ひくひくと揺れている。

目を半開きに前方を見つめ、ハッ、ハッ、と息を整えている。

強い対戦相手に股間を捕らえられ、ものすごい勢いで責められている状況で

なんとか心のバランスを保っているようだ。

ごんぶとの17センチマラを奥まで呑み込まれ、顔を真っ赤にしている。

若い対戦相手に主導権を握られ、息を荒くしながら回復の道を探っている。

 

 

「んっ」

「んっ」

渡辺の頭がぐりんぐりんと動き、堀野の体が2回痙攣する。

「いいぞー渡辺ー」

リングサイドから声援と歓声が飛ぶ。

ムッとしたのか堀野が渡辺の肉付きのいい足をぐっと広げ、股間に頭を突っ込む。

合わせたように渡辺が頭を動かす。「おぅんっ」堀野の体がクンッと跳ねる。

「うーん」

歓声を浴びながら体を上向きにねじり、渡辺の責めに振動しながら堀野が歯を食いしばる。

「いいぞー、いかせちまえー!」

「堀野こらえろー、力を抜けー!」

両サイドから応援とヤジが飛ぶ。

 

「・・・がっ・・・ああん・・・・」

堀野が左右に頭を振り、ビク、ビクンと膝を震わせる。

刺激をこらえすぎたのか、大きく潤んだ目の端から一筋の水滴が流れ落ちる。

「おい、堀野がヨガリ泣いてるぞー」

堀野があわてて右腕で涙をぬぐう。

「堀野耐えろー、頑張れー」

「渡辺、もう一息だー」

渡辺の動きが速くなり、ねじりが加わる。堀野があっと声を上げ、腰をイヤそうによじる。

 

渡辺の方は表情を変えず、不規則に開閉される堀野の太い足の付け根に両手を添えて

規則的に頭を動かしている。

堀野のマラは太い。口いっぱいに相手の男根を頬張りながら、タマのあたりに視線を合

わせて一心に頭を振っている。

対戦相手の太腿が1回、2回と頭を挟み、腰を引いてずんとかち上げる。

相手の尻を持って、渡辺が軽く頭を右に傾ける。

「あん」相手がビクンと震え、喝采がわき上がる。

 

 

「・・・ぐっ・・・ああぅ・・・・」

左右に揺れる腰の真ん中に取りつき、渡辺ががんがん技を打ち込む。

いやがる腰をぐちゅり、ぐちゅりと引き寄せながら、首でスナップをきかせる。

堀野が体を完全に開いているため、渡辺の責めがオープンによく見える。

ときおり電気ショックでも受けたように、むっちりした体が強く痙攣する。

 

「・・・ぐへぇっ・・・」

堀野の顔が般若のようにゆがみ、口をへの字に開いている。

放出のスイッチが入ってしまっている。ここから逆転するのはほぼ不可能に近い。

しかし必死に負けを拒否する堀野。この一秒一秒を全力で耐えている。

 

膝を曲げて、渡辺堀野の頭を太腿で挟む。

渡辺が両手で相手のケツを持ち、さらに強烈な技を打ち込む。

堀野の眼光が一瞬ゆるみ、続いて目をかっと見開く。

体を震わせて耐えながら、一歩、また一歩と官能の渦に巻き込まれる様子が見える。

 

《ぐちゅりぐちゅり》

 

《ぐちゅり》

 

《ぐちゅり》

 

《ぐちゅり》

 

 

 

「・・・くっ・・・・・・ギ、ギブアップ・・・」

追いつめられた声で、堀野の太い声がリング場に響く。

 

渡辺がサッと相手の股ぐらから頭を離すと、堀野のマラがずるんと立ち上がり、

「がはっ」という声と共に多量のザーメンを噴きだした。

 

「一本! ・・・それまでぇ!」

レフェリーの声とほぼ同時に、割れるような歓声が道場を埋めた。

 

ワーッと歓声が響く。渡辺の、鮮やかな一本勝ちだ。

渡辺が堀野の体を離して立ち上がると、堀野の分厚い体がごろんと仰向けに崩れる。

力無く倒れている堀野。・・・若い渡辺の勢いとテクニックに、押し負けてしまった。

 

ニコニコと笑いながらレフェリーに右手を挙げられる渡辺。

胸から腹にかけて、堀野から搾り取ったザーメンがべっとりと付いている。

マラは、ほとんど立っていない。10センチ弱に縮まって、太く垂れている。

渡辺の、圧倒的な勝利だ。

 

堀野は大きく体をねじり、息を荒くしている。

放出だけではない。若い選手の技にかかり、ギブアップを言わされる屈辱。

堀野が、初めての試みの犠牲者となった。

「ぐおお・・・ギブアップ言いたくねえ・・・」

 

リングを隔てた向こうに、堀田が立っている。

道場の壁によりかかり、腕を組んで静かに堀野達の様子を観察している堀田。

 

(・・・アイツが相手か・・・)

火曜日の試合、堀田が堀野をがんがん攻め込む様子が思い浮かぶ。

(・・・アイツの技、どんなんだろう・・・)

017  火曜日7 <

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