top of page

022  堀田vs荒井

​(木曜日・回想)

木曜日。初めてのレギュラー試合まで、あと2日。

相手は寺田という男。レギュラーの中では中堅の部類に入る。

試合は何度か見た。攻めは強いが、相手に攻め込まれるともろい部分もある。

もともと腕に自信はあるし、フレッシュマンクラスでも圧倒的な強さを発揮してきた。

寺田も、きっちりやれば倒せる。今日は最後の調整といったところだ。

 

木曜日は、いつもの道場とは違う。部屋の薄赤い照明はさらに暗く落とされ、

ハッテン場よろしく、仕切りが迷路のようにわたされている。

そしてその奥には、4つの個室がある。

 

個室の真ん中にはダブルベッドサイズのマットが置かれ、その奥に白T赤パン姿の

審判が一人ずつ待機している。二人で入ることで試合が成立し、それ以外の人間は

入ることを許されない。審判と二人だけの空間で、力尽きるまで闘えるのだ。

 

ルールも他の曜日とは違う。

15分の時間制限と、放出・ギブアップ以外にノックダウンルールが追加される。

相手の股ぐらから口を放すたびにダウンを取られ、10カウントでKOを宣告される。

もしKOされなくても15分後にはダウン数の判定が下る。

ルールはシビアだが、いつもとは違った刺激と緊張感に惹かれて来る人も少なくない。

 

 

俺は、20分前から相手待ちをしている。

右足首にはレギュラーの赤いゴムがつけられているせいか、あまり勝負を申し込まれないし、

こちらからも行かない。

4つの部屋の中の2つには「試合中」を表す赤いランプが灯り、中からうめき声やレフェリーの

カウントがしきりに漏れ聞こえてくる。

 

向かって右側の試合部屋には5分ほど前に緑のゴムをつけた奴らが二人入っていったが、

早くも4度目のカウントが聞こえてくる。

もう一組、緑のゴムをつけた大柄な男が、比較的背の低い男を捕まえて、押すようにして

一番右の部屋に入っていった。しばらくするとゴングの音がカーンと鳴り響く。

両方とやったことがあるが、背の低い男の喉フェラは強烈だ。

大柄な男はもって7,8分ぐらいか。

 

待っていても仕方がないので、入り口の方まで相手を探しに行くことにした。

相手はすぐに見つかった。

レギュラークラスの赤いゴム、朱色のビキニにモッサリした大柄で分厚い体。

・・・荒井という男だ。

寺田と戦って勝ったところも見ている。この男ならよさそうだ。

「すいません、お願いします」一言声を掛ける。

荒井は気のいい男のようだ。両眉をくいっと上げて俺の顔を見ると、快く挑戦を承諾した。

 

さっそく荒井を奥に連れて行く。

荒井はこの曜日がはじめてのようだ。キョロキョロしている。

「もしかして、初めてですか」

「ええ、今度やる奴が強いんで、ちょっと練習しようと思ったんですよ」

照れくさそうに丸い顔をほころばせる荒井。

「いちおうルールは聞いたけど、こんなの今まで知らなかったなあ・・・」

「テンカウントルールはけっこうシビアっすよ。」

「そうっすね、やるなら負けたくねえしなあ・・・」

荒井の目の色が少しずつ変わってきている。

 

向かう途中でさっき試合をしていた男が一人出てきた。

大抵勝った方が先に出てくるものだ。この男が勝ったのだろう。

「ここにしますか」 一番左の部屋を指差す。ここには赤いランプが灯っていない。

一番右の部屋から「ぐへっ」という声。 レフェリーのカウントが聞こえてくる。

予想通り、大柄な男は相当攻め込まれているようだ。

「すっげえ・・・」荒井が目を丸くする。

「俺たちもこれからやるんすよ」と声を掛けると、荒井も無言でにんまりと笑う。

朱色のビキニが大きく膨らんでいる。なかなかのモノをもってるようだ。

俺は無言で左から仕切りをバサッと開けた。

 

 

中にはいつもの店員さんがいる。今日はレフェリー役だ。

いつもはよくしゃべる人だが、ここでは雰囲気作りのためかあまりしゃべらない。

外よりいっそう薄暗い部屋の中、息が掛かるような距離で向かい合う。

試合でよくやる儀式だ。さっきまではよくしゃべっていたが、ここからは押し黙って

互いの顔を無言で見合う。

しばらく見合った後、レフェリーが手を水平から下げて、「脱げ」のサインを送る。

ビキニを下ろす。 目の前で荒井のマラがグンと跳ね上がる。

やっぱりでかい。俺のよりも2センチは大きい。

 

69の体勢になり、互いに自分のマラをつきつける。

もう後戻りはきかない。まな板の上の鯉のような気分だ。

レフェリーはそんな俺たちの様子をしばらく眺めた後、ゴングを大きく鳴らした。

 

 

 

「ぐ・・・・・ん・・・・」

荒井の声だ。開始5分ほど、俺の拷問にぐっと耐えている。

俺の亀頭責め。荒井のでかい柱を握って、重点的に亀頭を狙う。

「・・・んぐっ・・・・」

やはり荒井はこのルールにまだ馴染んでいない。

柔らかなピストン運動で、俺のマラを柔らかく煽る。

我を忘れそうなほど気持ちいいが、ダウンをとるという発想がない。

・・・これはつけ込むチャンスだ。

 

俺は頭を小刻みに振り、荒井の亀頭をひたすら責める。

「・・・・んん・・・・」

荒井は巨根の青筋をくっきりと浮かせながら、必死に俺の股ぐらにしがみつく。

でかい腰が左右に揺れる。やはり、相当嫌がっているようだ。

頭をクイクイとと沈めた後、もう一度グリンと回す。

「うんっ」

荒井のくわえが浅くなった。ダウンしかけたようだ。

 

《ぐちゅり》

《ぐちゅり》

俺は積極的に荒井の柱を呑み込み、亀頭を強く刺激する。

「う-ん」 荒井もしきりに俺の亀頭に舌を絡めはじめる。

でもこの程度で俺からダウンを取るのは無理だ。

 

「んん・・・・・」 荒井がうめき声を上げる。

《ぐちゅっ》《ぐちゅっ》頭を動かして、荒井のマラを横に回す。

クイと頭を振る「・・・んあ・・・」荒井の口が外れかける。

(・・・よし、ここだ)

《ぐちゅり》もう一度回す。

 

 

「がはっ!!」荒井がついに口を放した。

 

 

「ダウンッ!」レフェリーがここぞとばかりに声を張り上げる。

「ワン!  ツーゥ! 」

「・・・ん・・・・ん・・・・」

荒井はでかい体を懸命に反らせて足をつっぱる。今くわえさせなければ俺の勝ちだ。

俺はテンポを上げて、荒井のプリプリと硬い亀頭の肉をいじめる。

さすがはレギュラーの猛者。どんなにきつくいじめても音を上げない。

「ファイブ!  シックス!」

荒井がでかい手でむんずと俺のマラを握る。ダウンから立ち直ろうとしている。

荒井がマラをくわえかけたところで、荒井の亀頭全部のあたりをずるんと強く舐める。

「あっ・・・・」荒井ががくんと身を反らす。相当効いている。

「エイト!  ナイン!」

しばらくブルブル震えた後、気を取り直したようにギリギリで俺のマラをくわえる。

 

「ファイッ!」

 

 

荒井のでかい腰の前で、しきりに頭を回す。

「・・・んぐっ・・・」

荒井の腰が嫌がる。ダウンから立ち直ったとはいえ、苦しいことには変わりない。

「・・・んーっ!」俺の太ももを強い力でつかみ、荒井が強引に喉ファックをかます。

レギュラーの意地か。効いてるくせに、俺の弱いところを正確に捉えてくる。

〈ぐへっ・・・〉気持ちいいが、ここで呑まれたら負けてしまう。

俺は荒井の亀頭を強く、重点的に責める。

 

「・・・んっ・・・んんっ・・・」

くすぐり技を中心に、硬直しきったマラの先を強く刺激する。

荒井の両膝がぴくんと動く。

《ぐちゅり》 《ぐちゅり》 間をおかず、技を畳みかける。

荒井の膝が揺れ、太いケツの筋肉がぴくぴくとうごく。

俺が首にスナップをきかせると、アアッと声を上げて荒井の口が半分開く。

俺のマラがこぼれ落ちかけている。・・・もう一押しだ。

 

《ぐちゅっ》《ぐちゅり》

多少無理な責めでも、荒井の太マラは持ちこたえる。

でもその頑丈さが、脳に強い刺激をもたらす。

 

《ぐちゅり》《ぐちゅり》

荒井の太いマラ先から、濃くしょっぱい液体がドクドクとふき出す。

荒井の攻めが完全に止まっている。責め立てるなら今だ。

 

《ぐちゅり》

 

《ぐちゅり》

 

《ぐちゅり》

 

「・・・おぅんっ!」荒井がついに頭を上げた。

俺のマラがボロンとこぼれ落ちる。「ダウンッ!」レフェリーの声が鳴り響く。

 

 

「ワンッ!  ツーゥ!  スリーィ!  フォーォ! ・・・」

荒井がでかい体をねじり、プルプルと震えながらマットに頭をつけている。

「ファイブ!  シックス!  セブン!」

カウントが流れるように進む。荒井はまだ悶絶している。

(・・・きまったか?)荒井の分厚い体に頭を埋めながらちらっと考える。

 

「・・・あああああああああああっ!」

荒井が大きく吠え、マットにずんと拳を沈める。

《ぐちゅり》俺の腰に小さな衝撃がくる。何とか立ち直ったようだ。

(そうだな、そうでなくちゃ)

「ファイッ!」レフェリーの声が響く。

 

 

(そろそろ、いいかな)

亀頭攻めを、バイブに切り替える。

亀頭攻めでカチカチに硬直した荒井の巨根を、やさしく、強く撫で上げる。

「んぐっ・・・・!!」

荒井の攻めが緩慢になる。この硬直具合なら、しかたがない。

 

・・・たしかにこのままダウンをとり続ければ、俺はこのルールで確実に勝てる。

でも、あさっては寺田戦だ。 寺田相手にギブアップで勝たなければ、あの強い攻めに

俺が沈むこともあり得る。

亀頭攻めで主導権を奪い、バイブでとどめを刺す。

この作戦がレギュラー相手に通用するか、荒井で試してやるのだ。

 

「ギブアップ?  ・・・ギブアップ?」

レフェリーが荒井の前に体を伏せて声を掛けている。

 

そうとう深刻な顔をしているのだろう。・・・栗原戦での、荒井のヨガリ顔が脳裡に浮かぶ。

(落ちちまえよ、荒井さん・・・)

俺のあごも、けっこうツラい。荒井の太いマラを、もう7,8分くわえている。

寺田のマラも太い。荒井ので練習になるかと思ったが、しばらくはあごを休めた方が

いいかも知れない。

 

荒井のガマン汁がどくどくと噴き出す。レギュラーの意地で相当突っ張っているようだ。

《ぐちゅり》《ぐちゅり》

「・・んん・・・」荒井の鼻息が、俺のタマに掛かる。

効いている。荒井の筋張った太ももが、俺の頭をはさんで何度も擦れる。

(もうちょっとだ・・・おら・・・)

深くくわえ込み、太い柱ごと強くゆさぶる。

「・・・ん・・・んん・・・」荒井の両足が丸太のように硬直している。

口を放してこらえればいいのに、ダウンすることを嫌がっているのだ。

 

(そう嫌がらずに・・・俺がダウンさせてやるよ)

口の浅いところで、荒井の亀頭をぐるん、ぐるんと回す。

「くっ、は・・・」荒井のくわえが浅くなる。

《べろり》強く亀頭前面をなめ上げる。「うん!!」荒井が口を放した。

「ダウン!!」レフェリーが3度目のダウンを宣した。

 

 

「ワン!   ツー!  スリー!  ・・・・」

レフェリーのカウントが進む。俺は荒井の太マラの浅いところをリズミカルに責める。

荒井はもう瀬戸際でこらえている。ちょっといじればすぐダウンしてしまう。

硬直しきったマラはもう回復しようがない。俺が時間をかけて、固めてやったのだ。

 

「・・・くっ・・・うん・・・」

荒井が拳をずんとマットにめり込ませる。自分に気合いを入れているのだろう。

(ガマンすることはない。素直に出しゃいいんだ)

それにしてもレギュラーの耐久力は大したものだ。もう10分を超えようとている。

俺と戦って10分耐え抜いた奴は少ない。フレッシュマンの奴らは相手にならなかった。

 

しかし、荒井ももうすぐ落ちそうだ。

ルールになれていなかったとはいえ、ここまでやられるとは思っていなかっただろう。

俺は頭を高速で振る。荒井の亀頭を何度も、何度もこね回す。

「あっ・・・・・あっ・・・・」荒井が口を半開きにして震えている。

「セブン!   エイト!  ナイン!  」

俺の責めに震えながら、荒井が俺の腰をがっちりとつかむ。

大柄な体を縮めるように、荒井が俺のマラに口をあてがう。

 

 

・・・今だ。

《ぐちゅり》

俺のマラをくわえた荒井の体が、びくんと震える。

荒井の太マラにゆっくり頭を沈め、しゃくるようにカクンとうなずく。

「・・・・うんっ!!」 荒井の腰がカクンと後ろに引く。

(かかった)

高速で頭を動かす。荒井の腰が後ろに引き、左右にがくがくと揺れる。

亀頭がパンパンに膨れている。どうやら、官能のキーが吹っ飛んだらしい。

《ぐちゅり》《ぐちゅり》2回しゃくってやる。「あうっ」荒井が口を放した。

「ダウンッ!」レフェリーの声。それも荒井にはあまり聞こえてないだろう。

 

 

「・・・・ぐ・・・あ・・・・」荒井の体が上向きにねじれている。

「・・・スリーィ!  フォーォ!  ファイブ!」

上向きにこわばる荒井の顔に、レフェリーがカウントを叩きつける。

俺はもうダウンをとる技は要らない。すべてがフィニッシュホールドだ。

「・・・シックス!  セブン! ・・・」

もう荒井は戻れないだろう。このまま行けば確実にテンカウントをとれる。

しかし・・・

俺は亀頭を柔らかく喉に納め、高速でバイブを続ける。、

「・・・エーイト!  ナイーン! 」

 

そのときだった。

「・・がっ・・・あっギブギブギブ! ギブアップ!」

レフェリーがあわてて俺の肩を叩き、俺もそれと同時にマラをズルンと口から抜いた。

カンカンカンカンとゴングが鳴り響き、それに続くように荒井のザーメンがどくん、

どくん、と噴き上げて、俺の胸にかかった。

「・・ああ・・・・」

荒井は目をぎゅっと閉じながら、体を反らして痙攣しながらザーメンを放出している。

ゴングを置いたレフェリーは横になったままの俺の右手首をおもむろにつかみ、

「一本!」といって高く差し上げた。

 

「・・くっ・・・あっ・・・」

荒井が右手で顔を覆い、天井を見ながらまだ放出を続ける。

これだけたまっていて、ガマンするのは大変だっただろう。

俺とレフェリーはしばらく様子を見ている。

荒井の方が一段落つかないと身動きが取れないのだ。

 

ややあって放出が終わり、荒井が体を起こす。

「・・・ああ・・ちきしょう・・・」

荒井は俺とレフェリーの顔を交互に見たあと、またマットにごろんと倒れる。

まだ半立ちのマラが、荒井の腹の上で上向きにぼろんと跳ねる。

ノックアウトではなく、ギブアップの放出負け。

いくら慣れていないとはいえ、はじめて会った小柄な人間にギブアップとられた上、

ザーメンを搾り取られて負けるとは思わなかっただろう。

 

しばらくして荒井と俺の目が合う。

やや放心した目が光を取り戻し、次の瞬間にやっと笑う。

「くそおー・・強いなら強いって言って下さいよ!」

荒井が俺の体を腕ごと抱きすくめ、そのままごろんと倒れて俺を押しつぶす。

「ちきしょおー・・・参ったぁー」

そう言いながら、もがく俺を強引にマットにねじ伏せる。

「相手誰なんすか?」荒井がにこにこ笑って俺に問いかける。

「寺田さんす」

・・・しばらく沈黙が流れる。

 

「寺田君かあ・・・土曜の試合はまた違うから分からないけど、たぶん勝てますよ。

 俺もそんなに負けてないし。7分くらいでいけるんじゃないの?」

「そうっすかね」

「いけるいける。なあ俺に勝ったんだから、他の奴にも負けないでくれよ?」

「ええ、がんばりますよ。」

 

俺と荒井はそう言ってがっちりと握手を交わした。

017  火曜日7 <

bottom of page