016 火曜日6
(増田戦)
増田と一緒に、リングに上がる。
リングの上で二手に分かれ、俺は手前の赤コーナー、増田は青コーナーのあたりに陣取る。
仁王立ちに向かい合う。・・・この状態から、もうすでに試合は始まったようなものだ。
互いに遠慮して、視線を相手の胸板のあたりに落とし、レフェリーの指示を待つ。
相変わらず分厚い体に、ふとい腕。
試合中に腰を抱き込まれ、がんがんやられたらまず逃げられない。
増田の履くエメラルドグリーンの競パンごしに、太い中身がくっきりと浮かび上がる。
責められ強い男ではない。流れによっては俺でも5分で一本取れるだろう。
でも舌による亀頭責めがうまく、舌先でマラをはじくように強く舐めてくる。
序盤でガンガン相手を責め、試合のペースを一気に自分に引き寄せられる勢いがある。
どちらが勝っても、一方的な試合になるだろう。
・・・そしてその鍵が、最初の5分だ。
レフェリーの指示で、リング中央に寄る。
俺より少し背の高い増田の体が、すぐ目の前にある。
鍛え上げられた筋肉を脂肪で緩く覆う、現場監督のたくましい裸体。
髪を短く刈り上げた増田の丸顔が、俺を見下ろしている。
その顔を、ぐっとにらみつける。
これからリングで俺をぼろぼろに犯そうとしている、対戦相手の鋭いまなざし。
何も考えず、ただひたすらに、互いの意志を眼で交換する。
履いているものに手を掛け、脱ぎ捨てる。
俺の目の前で、増田の勃起しきったマラが、競パンからビンとはじき出される。
完全に立ちきっている。・・・この部屋での初戦、刺激にはまだ弱いはずだ。
俺のアドバンテージ。増田が刺激になれる前に一気にこれを攻め落とせば、勝てる。
69の形に向き合う。増田の太いマラをつまんで、まじまじと見る。
かちかちに立った、太くて形の良いマラ。うまそうだ。
張ちきれんばかりの、丸くぶりっとふくれた亀頭。
俺の頭の中で、何度も責め立てる。・・・最初の一撃、これがすべてを決める。
<カーン>
ゴングと同時に、俺と増田はがっちりと組み合った。
ぐんっ、とくる衝撃。・・・増田にがぼっとくわえられた。
俺も負けじと増田のマラをくわえる。でかい柱を5センチほど残し、深く喉に納める。
ぐちゅぐちゅぐちゅ、と音を立てる。
立ちきったマラ全体を口で暖めながら、亀頭を中心に口蓋で強くこすりつける。
敵の力強い鼓動を感じる。強烈な技、増田は確実に効いている。
俺の腰のあたりで、増田の頭が前後している。
俺の亀頭に舌を絡め、グン、グンと強くはじく。
うまい・・・何度も腰が動きかける。
持久戦。対戦相手と5センチの間合いで、死闘をくりひろげる。
腰はまだ動かない。・・・動かせない。
全身がマラになったような、神経戦だ。
突然、ぐんと腰の奥に衝撃が走る。
・・・増田の技が、効いた。たまらず俺の腰がかくんと跳ねる。
深くくわえてくる増田。くちゃ、くちゃ、と音がする。
たまらず腰を震わせ、増田の胴にしがみつく。
ぐんぐんぐんぐん、と増田の波状攻撃が追い討ちをかける。
(うーん)
増田の太いマラが、俺の口からぼろんとこぼれ落ちる。
(ぐおおっ)
増田の一方的な責め。
増田の反りかえったマラの裏スジに額を当て、俺の体がビリビリと震える。
この間の試合でも、竹下がこの技でマットに沈んでいる。それほど、強烈な技だ。
必死に耐える俺。・・・不覚にも、増田にペースを取られた。
腰が砕けながらも、増田の亀頭にしゃぶりつき、きつく舌をあてがう。
増田の亀頭がプクッとふくれ、鼻息が俺のタマにかかる。
俺の口の中に、塩辛い汁がドクドクとわき出す。
増田も効いている。・・・増田が責め急ぐのは、ペースを握られたくないからだ。
(でも・・・でも、俺も・・・)
(くっそ)
俺に残ったありったけの気力を振りしぼって、増田のふとい腰にしがみつく。
(負けるか)
頭を右にふって、増田のマラを強く縦に起こす。・・・ぴくん、と増田の腰が跳ねる。
チャンスだ。 俺は増田の太腿付け根に手を掛け、ひたすら亀頭をねらい撃ちする。
俺の舌が増田のプラムのような丸い肉に吸い付き、何度も強くこする。
増田の太腿が軽く開き、足先がピクンピクンと動く。
いい徴候だ。俺はひたすら増田のでかい亀頭に吸い付き、クチュクチュと音を立てる。
増田の下半身の動きが止まらない。 思ったより技が強くきまっている。
(よしっ)
突如、ズルン、と増田の強い舐めが俺の腰を襲う。 俺の腰が軽く砕ける。
(このやろうっ)
増田の舐め技に腰を振りつつ、増田の責めに正面から挑む。
対戦相手の左亀頭に舌を当て、マラが折れんばかりに強く舐め込む。
増田が俺の左責めに軽く腰を引き、足を伸ばす。
俺は左亀頭から裏スジにズルン舌を動かす。
増田の腰ががくんと動く。
(ここかっ)
俺は増田の股間にとりついて増田のマラを反り上げる。
もう一度左亀頭ウラをベロリと舐める。
「あうっ」
増田が、はじめて俺のマラから口を放す。
(いっけえ~)
抱きつきポンプ固め。体を横向きにばたつかせる増田の股間をがっちりと固定し、
口を派手に動かしてひたすら音を立てる。
「・・・んっ・・・んっ・・・・」
俺の体から5センチほど離れ、バタバタと痙攣する増田。
責めようともがいているようだが、なかなか攻撃に入れないようだ。
最大のチャンス。俺の亀頭責めにまだ慣れきっていない。
道場に来て一戦目と、二戦目の差。このアドバンテージを、フルに使って増田を追いつめる。
「・・・くそ・・・あっ・・・」
増田のくぐもった声。・・・どうやら上を向いて喘いでいるらしい。
「・・・あっく・・・・あっく・・・」
増田の厚みのある両手が、反対側で自分を責めている俺の両肩をつかむ。
本当は俺の頭まで手を伸ばしたいだろうが、そうすると反則になってしまうのだ。
俺は増田に肩をつかませたまま、思いきり頭を動かして強敵をがんがん攻め込む。
「・・・うっく・・・・あ・・・」
増田の足が交互に伸び、リングのマットをひっかく。
突き上げる官能をまぎらすためにやってるのだろうが、俺が無理矢理現実に引き戻してやる。
「<べろり> あうん!」
俺の舐めに増田の大柄な肉体がビクンと反応する。
「・・・くっ・・・あっ・・・あっ・・・」
声を上げながら、必死に息を整えている増田の顔が、目に浮かぶ、
俺の技で、ここまで踊らされるとは思ってなかっただろう。
でも今は、ザーメンをこらえるので精一杯か。
増田がブンブン頭を振っている。俺の右腿に、増田の伸びかけた短い頬髭がざらざらと擦れる。
・・・痛いが、もうすぐこれも終わらせてやる。
「・・・・ぐあっ・・・・」
俺の両肩を下手にがっちりとつかみながら、増田の顔がみるみる紅潮していく。
「・・・・・・!!」
鼻息を荒く吐きながら、増田が無言で俺の頭を股間から引っぺがす。
俺の勝ちだ。 カンカンカンカンカンというゴングの音と共に、拍手が大きく鳴り響く。
俺はいち早く増田の体を捨て、すっくと立ち上がってレフェリーの側に寄る。
「一本勝ち!」
レフェリーが高々と俺の腕を差し上げる。堂々たる勝利宣言だ。
増田はごろんと仰向けになり、上を向いたままぼうっと上を見上げる。
敗北の事実を、いまだ認められない状態。・・・どんな試合でも、こんな瞬間はかならずある。
増田を破ったと、大きな声では言えない。
要するに、マラの慣れないところを攻め込まれて、増田が抜けられなかったのだ。
いつもの増田なら、最初の豪快な責めで俺の方が押し切られたかもしれない。
とはいえ、勝利は勝利だ。 勝負にタラレバはない。
俺の責めで、増田はマットの上を何度も踊り、そして豪快にマットに沈んだ。
増田の方は仰向けにダウンしたまま首を起こし、息を荒くしたまま力強く反り上がるマラと
にらめっこしている。・・・この調子じゃ、もう一秒ギブアップが遅れていたらイッていただろう。
目が、妙に血走っている。・・・まさか、こんな形で敗れるとは思っていなかっただろう。
余裕と思っていたから、道場に来たばかりで俺とリングに上がったのだ。
やりにくかっただろう。格下と戦うのは、いまいちモチベーションが上がらないものなのだ。
しかも、思ったより増田自身のマラが、俺の責めに耐えられなかった。
その事実に気付いたときにはもう遅く、本気の責め合いで俺に差し切られ、まともに責められ
なくなった挙げ句、最後は無様にマットに沈んだ。
・・・俺も経験がある。こういう負け方が一番いけない。
あとで、油断したから負けたか、本気で負けたか自分でも分からなくなる。
・・・そう、栗原戦のことだ。 あのとき、当初確実に俺は油断していた。
しかし、開始2分で自分の誤算に気付き、そのときにはもう栗原に呑まれていた。
本気でやったら勝っていた・・・負けた直後は、そう考えた。
しかし・・・時が経つほどに、それを否定する考えがむくむくと膨らんできた。
万全の状態で、栗原に負ける恐怖。
栗原とリングに上がり、決着がつくまで、その不安は消えないのだ。
そう思いながら、俺は目の前で増田がふらふらと立ち上がる様子を見ていた。