スキンヘッドの試合を見終わり、周りを見回す。
一人の男と目があった。・・・増田だ。
来たばかりのようでまだ着替えを済ませておらず、ダークスーツ姿で
カーテンを少し開けてリング場の様子を見ているところだった。
「よう!」増田が右手を挙げて俺に手を振る。
「久しぶりだなー、寺田君が火曜日に来るなんて。」
増田は現場監督だ。普段の仕事柄、スーツを着ることなどめったにないのだが、
公式の用事でもあったのだろうか。
着慣れていない割には、ガッチリした肩幅にスーツがよく合うよう仕立てられ、
そこら辺のサラリーマンに負けないぐらいよく似合っている。
「珍しいなー、増田さんがスーツを着るなんて。」
「へへへ・・・俺だってスーツぐらい着るよ。」
普段ヘルメットをかぶる仕事柄、増田は坊主頭をきれいに刈り込んでいる。
結婚して、娘も二人いるせいか、坊主頭もぼさぼさに伸びることはない。いつ見ても
同じ長さに刈り込まれているように見えるところが、増田のマメさを物語っている。
「どう、今日の調子は?」
「俺も来たばっかりで、さっき丸山さんと一発やっただけっすよ」
「勝てた?」
「ギリギリだったっすけど・・・何とか粘ってギブ取ったっす。」
「・・そっかー・・・丸山さんが負けたか・・・」
軽く首をひねって、増田があさっての方向をしばらく見上げる。
「・・・どう、俺とやんない?」
ロッカーでネクタイをゆるめながら、増田が人差し指を一本出してみせる。
「増田さんかー、俺勝てっかなあー・・・」
しばらく考えた後、「ういす、お願いします」と頭を下げた。
「たまには寺田君のデカマラしゃぶっとかないと、俺も腕落ちちゃうからな。」
「増田さんだってでかいじゃないすか。」「ハハハ、ありがとな。」
会話を交わしながら、増田が器用にスーツを脱いでいく。
スーツを着てても、中身は現場監督だ。Yシャツになった段階で、すでにボリュームの
でかさがよくわかる。
Yシャツを脱ぐと、下着ごしに40代前半のたくましい日に焼けた肉体がのぞく。
脂肪がやや厚めに覆っているが、それもあまり気にならない。
下着も黒靴下も脱いで、増田が素っ裸になる。
中量級のレスラーのような身体に、やや大きめのマラが堂々と垂れている。
「んじゃ、俺シャワー浴びてくからさ、寺田君は適当に準備しといてくれよ。」
増田がタオルとエメラルドグリーンの競パンを持って、シャワー室を指さす。
「うっす。んじゃリングで待ってますよ。」
増田は人なつっこい顔でニッコリと笑い、後ろ手に手を振るとシャワー室に消えた。
リング場に戻ると、試合が始まっている。
一方はさっき坊主頭に敗れた角顔の男だ。身体のでかい相手に対し、今度は押している。
「・・・ぐっ・・・あ・・・」
色白のでかい男が右太腿をしきりにこすりつける中、その股間で角顔が強烈に首を振る。
大男がたまらず腰を振る。最初は丸く回し、次は左右に振る。
角顔のごつい手が大男のケツをがっちりとつかみ、複雑な動きに巧みについていく。
「がぁはっ・・・」大男が体を反らす。
角顔の右手が相手のケツをつかんだまま、複雑な動きをする。
「ぐへっ・・・!」大男が角顔の右太腿に頭をつけて荒く息をつく。
5センチ隣に角顔の勃起マラがあるのだが、攻めに移れない。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
大男が角顔のキンタマのあたりに、何度も息を吐きつける。
角顔の腰をがっちりと抱いたまま、大男がイヤイヤと腰をよじる。
角顔は離さない。大男がどんなに腰をよじっても、頬をすぼめて強くマラに吸い付く。
「・・・がはっ・・・・!」グチュグチュグチュと音がする。大男が右に体をひねる。
「・・・・・」角顔の太腿にまた頭をつけ、大男が無言でブルブルと震える。
・・・・・・
「だぁぁはっ!」大男がバンバンバンと角顔の尻を叩く。ギブアップだ。
カンカンカンカンカンとゴングが打ち鳴らされる。・・・角顔が、今度は勝利を収めた。
仰向けで大股になり、ぴくっぴくっと痙攣する大男。
・・・あれだけの技を食らえば、痙攣もするだろう。
角顔がレフェリーに右腕を挙げられる。・・・3勝目。これで今日の利用はタダだ。
そのために頑張ってるわけではないだろうが、何だって勝てれば嬉しいものだ。
「・・・おう、お待たせ!」
振り返ると、増田が笑っている。
たくましく陽に灼けた体。ふつうはドカタ灼けで体幹部は色白になるものだが、そこも
うまく調節して灼いてるのだろう。エメラルドグリーンの派手な競パンがよく似合う。
「いきなり試合かぁ・・・お手柔らかに頼むぜ。」
増田が小さく足踏みしながら笑って俺に話しかける。
「もう立ってんじゃないすか・・・そんなになってちゃ、俺の技に耐えられないすよ?」
「なに言ってんだ。そっちこそ今の試合でデッカクなっちまって、この分じゃ5分が限度だな。」
増田が腕を組みながら俺の黒ビキニをまじまじと見つめる。
「疲れてんだろ・・・5分で楽にしてやるよ。」
俺の首っ玉を右手で引き寄せ、増田がぼそっとつぶやいた。