二人が試合場に立ち、向かい合っている。
石垣はいかにもサラリーマン風の風貌で、大人の落ち着きを感じさせる。
しかし服を脱ぐと、上体のほどよく脂ののった筋肉と、太く筋張った太ももが露わになり、
服を着ていたときとのギャップに軽い違和感を与える。
本業は何をやっているのだろう。
菅野はもう少し年のいった感じで、白髪がかなり交じっている。
何のスポーツをやっていたのか、全体的に太い筋肉が乗っており、腕や足の大部分に
赤い日焼けの跡が残っている。
二人ともエンジ色のちょっと地味なビキニを履いている。合わせたわけではないだろう
が、二人の何気なく醸し出される大人の色気によくマッチしている。
ビキニはさほど膨らんではいない。さすがに何度も手合わせをしているのだろう。
しかしそれでもビキニにははち切れんばかりの具が横向きに収まっている。
二人は至近距離に近づくでもなく、にらみ合うでもない。
ベテランらしい静かな気迫のようなものだけが、試合場にあふれている。
手には各々ビニールのコップを持っている。しぼり取った相手のザーメンを入れるためだ。
どっちのコップに、ザーメンが入れられるのだろう、
レフェリーが指示すると、二人がそれぞれにビキニを脱ぐ。
各々半立ちのマラが、ぼろんと弾き出される。
二人とも、歴戦の激闘を思わせる、太く貫禄のあるチンコだ。
脇にそれぞれビニールのコップを置き、二人が69の体勢になった。
---はじめぇ!---
「・・・ん・・・」
開始後5分。
菅野の太い足が、石垣の頭を軽く挟んでいる。
最初は足を開ききって責め合いを行っていたが、だんだん足が伸びるようになり、
今はこの様子だ。
時折石垣がそのまま菅野の両足を抱え、菅野のマラをくわえ込んでジュボジュボと音を立てる。
菅野が軽く腰を引くと、石垣がガバッと頭をつっこむ。
「くっ」石垣の頭振りに、たまらず菅野が足を石垣の耳にかぶせる。
「・・・・・」
無言。誰も言葉を挟まない。
中年同士の闘い。表に見えにくいベテランの攻防が、ほんのわずかな音に表れる。
「あっ・・・」
石垣が菅野の頭にまたがるように、右膝をずんと畳につけた。
「うーん・・・」
菅野の声かと思いきや、石垣の声だ。
菅野の赤銅色の裸に乗り上げたまま、石垣の肩がガクガクと震える。
「あっ・・・く」
よく見ると、石垣の右足に菅野の太い腕が絡まっている。
菅野の、下ポンプ固めだ。
フーッ、フーッ、と石垣の鼻息が聞こえる。
思ったより、技が深くきまっているようだ。
菅野の口に呑み込まれた石垣の男根が、出たり入ったりする。
ねちっこい菅野の技。一度決まるとなかなか抜けられない。
俺も食らったことがある。俺だったら、せいぜい3分がリミットだ。
わずかに、菅野の動きが速まる。
「・・・んっ・・・んっ・・・」
押し殺したような声が聞こえ、石垣の腰がゆっくりと上下する。
菅野にロックされた両足を力ずくで開き、畳の上でハの字につっぱる。
菅野のくわえの浅くなったところを、亀頭だけ口に入れて菅野がぶるぶると頭を振る。
「・・・・」
何も言わない石垣。いつの間にか口も止まっている。
下から見ると、石垣の大きく開いた太ももの間から肛門の奥にくっきりと太マラが見える。
くっきりと青筋の浮いた、石垣の裏スジ。
久しぶりに、石垣のこんな姿を見た。
1分後。
突っ張っていた石垣の両膝が、畳にずんと落ちる。
やや内また気味になった石垣の両足。それを菅野が強引にがっちりと巻き込む。
「・・・・・!」
声にならない声。石垣が大きく口を開いてパクパクしている。
・・・2分。
・・・3分。
菅野の責めは、弱まることを知らない。
・・・・
「あうっ・・・もうだめだ・・・」
石垣の絶望的な声が聞こえる。
ややあって、菅野の上に乗り上げた石垣の腰が、ガクン、ガクンと動く。
きまったらしい。オオーッというギャラリーの声と、拍手。
石垣の太い腰を畳にずんと落とし、菅野がビニールのコップにペッと白いつばを吐く。
口から白い糸が引く。なかなか濃いのが出たようだ。
「いっぽん!」
審判の声。体を起こした菅野の手を、高々と上げる。
力なく体がねじれた状態で、石垣はしばらく動かない。
格上の菅野を積極的に責め立てながら、今日もその牙城を崩すことはできなかった。
眉が濃く男前な面構えをして、なかなかの色気を出す石垣。
チャレンジ精神旺盛で、強い相手でも果敢に戦いのリングに上がる男気あふれる雄だが、
いまは相手に敗れて半立ちのマラをだらんと横に倒したまま、ぐったりと倒れている。
そして、その姿を栗原がじっと眺めていた。