top of page

道場「T」の、リング中央。

二人の69レスラーが、思い思いのビキニを履いて、向かい合っている。

 

手前に位置するのは、栗原。

黒いビキニを履き、ぽんぽんと跳ねながら目の前の荒井をにらみつける。

先週の俺との試合では、強烈な左ポンプ固めで俺を13分で攻め落とし、

ランクを18位まで上げてきた。

責められ弱いところをスピーディな位置取りと、炎のようなフェラ責めで補う。

今日の相手はベテランだが、流れによっては金星もねらえるかもしれない。

 

対するのは、荒井。

俺や栗原よりも一回り年上で、30代後半といったところか。

所帯持ちのオッサンみたいな風貌で、子供の2人や3人はいそうな感じだ。

ポンプ固めの名手で、田中や渡辺といった強い若手の選手をことごとく沈めている。

俺も先月荒井に挑戦し、強烈なポンプ固めにかかってあえなくマットに沈んだ。

朱色のビキニを履き、両腕をだらりと垂らして見上げるように栗原の視線を受け止める。

ビキニの前が強く膨らみ、持ち上がっている。ビキニではカバーしきれない大砲だ。

本来なら上位挑戦もねらえるところだが、栗原の挑戦をあえて受けてみせたのは何か感じる

ところがあったのかもしれない。

 

 

レフェリーの指示で、二人がビキニを脱ぐ。

二人ともがっちり立っている。ともに18センチくらい、やや荒井の方が太いか。

俺は二人のマラに何度も接したことがある。弱点も、それなりに知ってる。

ともに、強い責めにはよく反応する。二人のあの立ち方では、決着は早いものになるだろう。

栗原と荒井、どちらの技が相手の弱点を責めきることができるか。

 

二人がレフェリーにコップを渡し、69の体勢になった。

互いの顔の前に、対戦者のふてぶてしい男根がでんと座る。

時間いっぱいだ。もうすぐ戦いの火ぶたが切って落とされる。

レフェリーの持つ、「栗原」「荒井」と書かれた二つのコップを俺はぼうっと見つめていた。

 

 

「---はじめぇ!!」

 

 

「・・・んん・・・んっ・・・」

開始後5分。 

なんと、栗原が攻勢だ。

 

ばたつく荒井の左足を固め、積極的に攻め込んでいる。

片ポンプ固め。栗原の必殺技が、荒井をとらえている。

「ぐっ・・・あう・・・」

荒井の右足が軽く伸び、リング中央でばたついている。

ガチデブ荒井の太い足が栗原の脇に強引に巻き込まれ、太いマラが中ぐらいまで呑み込まれる。

リング周辺がざわつく。意外な展開に俺ならずとも驚いているらしい。

 

荒井は充分強い選手で、本来なら若手のちょっとした煽りに屈する選手ではない。

俺も先月ランク15位だった荒井に挑戦し、壮絶な粘り合いの末に強引なポンプ固めをきめられ、

惹き込まれるようにザーメンを搾り取られてマットに沈んだ。

すごみのある選手。 いったん捕まったら、逃げられない。

でも、今日はうまくいってないようだ。

荒井のポンプ固めへの誘いを栗原は巧みにかわし、逆に強烈な片ポンプで荒井を巧みにコント

ロールしている。

最初はいなしていた荒井もだんだんと栗原の技をかわしきれなくなり、今ではこんな調子だ。

認めたくはないが、荒井は完全に栗原の技に呑まれている。

・・・そう、あのときの俺のように。

 

俺はギリッと歯噛みをする。

ビキニの下のマラがムクムクとふくらむ。

 

俺は先週の栗原戦敗戦でランク外に落ち、さっきの試合で17位の吉井を攻め落としたことで

ようやくランク内に返り咲いたばかりだ。

一方で栗原がこのまま荒井を攻め落とせば、栗原のランクは15位に上がり、試合内容の良さから

さらに上と対戦することになるだろう。

立場、逆転。・・・先週の敗戦が、俺と栗原の立場を大きく変えてしまった。

 

荒井は自由な右足を前後に振り、気を紛らわせて技をこらえようとしている。

でも、うまくいかない。栗原の太い左腕が荒井の左足をホールドし、右手で荒井の尻を

コントロールしながら首をうまく使ってさらに荒井のマラを責め立てている。

「がは・・・あんっ・・・」

荒井の効き声が湿っぽくなってきた。タフで鳴らす荒井も、危ない領域に足を踏み入れたようだ。

「ぐっはあ」

荒井が鼻息荒く額を畳につけ、栗原が頭をガンガン振っている。

(そんなによがるなよ荒井・・・負けた俺の立場がなくなるぜ)

いつものペースを崩されてるとはいえ、これではレイプも同然だ。

 

おととい、俺vs栗原の試合ビデオを見せてもらった。

俺も、栗原に「レイプ」されていた。

沸騰する会場の中で栗原は速責めを繰り返し、俺の体は官能に反っていた。

自慢の太マラにはくっきりと青筋が浮き、放出をこらえる俺の目は泳ぎ、時にとろけた。

 

あのときは「まぐれ負け」だと思っていた。再戦すれば絶対に勝てると。

しかしベテラン荒井のあそこまでのやられっぷりを見ていると、その自信が揺らぐ。

俺は今日にもリベンジマッチを組んでもらいたいと思っていた。

しかし、実際組んでもらっていたら、今ごろ・・・。

 

「ああっ・・・ああまいった!!」

荒井が栗原の裸の尻をばんばんと叩く。

栗原が頭を止めると、それと相前後して荒井の腰ががくん、がくんと突き上げる。

イッているようだ。荒井の昇天負け。

時計を見ると、17分が経過している。

やや粘ったとはいえ、荒井の完敗には違いなかった。

 

荒井のものを搾り終えて、栗原がビニールのコップにザーメンをドロッと吐き出す。

コップを突き上げる。会場がオーッと沸き、パチパチと拍手をする。

荒井は横向きにイッた体勢から、仰向けにぐたっと大の字になる。

まだピク、ピク、と痙攣している。まだ試合の余波が残っているようだ。

少しずつ敗北をかみしめていることだろう。予想外の完敗。

・・・そう、一週間前の俺だ。

 

俺に続き、荒井も栗原の責め技に屈し、あえなくマットに沈んだ。

荒井のランク上・・・石垣あたりはもう対戦相手として栗原を意識しているだろう。

上位ランクには30代や40代のベテランも多い。

もちろん技や耐久力だけではなく、マラの勢いも絶倫の雄ばかりだ。

ランク13位、30代の石垣は、ランク11位の40代、菅野との対戦を控えている。

石垣のマラがふくれているのは、これからやる相手の菅野のせいか、それとも・・・。

 

「ちょっとやんないすか?」

俺が振り向くと、さっき試合をすませたばかりの山田がいた。

「へへへ・・・」

ランク19位。20位の渡辺の挑戦を退け、ザーメンを搾り取ってきたばかりだ。

昔野球部だったらしく、体の枠が大きくケツもでかい。

俺と同じように、たまって仕方がないのだろう。

「いいすよ。」

座礼をすませ、69に組んでその場で責め合いを開始する。

 

「んっ・・・んん・・・」

開始2分、はやくも山田の腰が震えている。

この程度の相手なら、俺の敵ではない。

・・・でも、同じくそう思っていた栗原を相手に、俺はザーメンを噴き上げて負けた。

 

「がはっ・・・」

相手をナメない。どんな相手も全力で搾り尽くす。

 

「ぐあはっ」

山田が俺の頭を挟む。

強引に足を開き、頭を突っ込む。

「おっ、おおおうー」

山田が体をひねる。技が強烈だったか。

 

周りがざわつく。突然おっぱじまった責め合いにびっくりしたか。

(見てるか、栗原・・・)

山田の声なんて聞かなかった。俺はただもくもくと頭を動かし続けた。

bottom of page