道場「T」のリングに、俺は立っている。
本日の俺の相手は、好井だ。
好井はランク17位。若手の中では中堅に入る。
背が低く、むっちりした体型。腹は出ていないが、それでも全体的に丸い印象を与える。
温和な顔とは裏腹に、ボンレスハムのような太い腕と、厚い背中。
そこからびっくりするようなパワーファックを繰り出してくる。
この間はその強烈な左ポンプ固めの前に、秋元という大柄な選手がマットに沈んだ。
ぐちゅぐちゅという大きな音と、ひざ下だけで必死に空を掻く秋元の足。パクパクと動く口。
・・・そんな相手と、今日はリングで戦うのだ。
紫色のスパッツを履き、試合開始を待つ好井。
勃起したマラが、上向きにスパッツを持ち上げている。
好井の童顔が、俺を見て人なつっこい笑みを浮かべる。
試合前はいつもそうだ。互いに社会人の顔を持つだけに、リングで戦うのは抵抗がある。
しかしこの試合、噂によると好井が希望したらしい。
栗原戦の俺の負けっぷりを見て、これなら勝てると踏んだか。
実際リングで負けると、次の週の対戦希望が増える。先月の試合では、俺は好井を15分
でいかせているし、もしかしたら今日の試合でリベンジをねらっているのかもしれない。
もう一度好井の顔を見る。・・・そんな徴候は、今のところ見られていない。
レフェリーの指示により、俺と好井が履いてるものを脱ぐ。
好井のマラが、スパッツからはみ出てぶるんと立ち上がる。
サイズ的にはさほど大きくないが、太さがあって貫禄を感じさせる。
好井の身体と似ている。不釣り合いなのは、その上に乗っている童顔だけだ。
69の体勢になり、好井の勃起マラをまじまじと見る。
ズルムケで、耐久力の強さをよく表している。
繰り出す技にもスタミナがあって、試合展開によっては負けも十分あり得る。
やりにくい相手だ。ちょっと、自分より弱い相手。
気持ち的に、負けられない試合。・・・そういう試合が、一番やっかいなのだ。
「------はじめぇ!」
《くちゅくちゅ、くちゅくちゅくちゅ》
リング中央、好井と俺との激しい技の打ち合い。
好井は俺のマラを深くくわえ、喉の奥から俺の亀頭を洗ってくる。
激しい快感はないが、呑み込まれてしまいそうなプレッシャーを、ひたひたと感じる。
俺は抱きつきポンプで好井のでかい亀頭を、重点的に攻める。
好井の亀頭はカリが張って、非常に攻めに強い。
好井の太い柱を敢えて握らず、プラムのような亀頭を丹念に咥え、舌を当てる。
マラは15センチ強で、さほどデカイ選手ではないが、太さは俺よりも太い。
そしてさらにそれを超えるデカイ亀頭。皮がピンと張り、猛者どもの攻撃を平然と受け止める。
穏和なえびす顔に似合わぬ、好井のふてぶてしい一面を見るようだ。
好井の喉技が、じわじわと効いてきている。
俺のマラを深々とくわえ、マラ全体を、じゅぼ、じゅぼとゆっくり攻めてくる。
マラが立てば、立つほど効く・・・・さすが、百戦錬磨の猛者だ。
気持ちいいが、いま足を動かしたら好井にヒントを与えてしまう。
動きかける腰を止め、意識して足の力を抜く。
相手を付け入らせない。この試合の鉄則だ。
俺は好井の強い亀頭を、舌の腹で狙い撃つ。
尿道口に舌をナデナデと執拗に這わせ、裏スジに舌先を走らせる。
感度の鈍い亀頭の横っ面も、棒付きキャンディーを舐めるようにねちっこく味わう。
好井の膝は動かない。でもマラはパンパンに張っている。
効いている証拠だ。あとは、忍耐の鎧を一枚、一枚剥がしていく。
4分・・・5分・・・
好井の尿道口から、しょっぱい汁がじわじわと出てくるようになった。
ガマン汁。・・どうやら、やっと効いてきたらしい。
好井のガマン汁が出てくるたびにそれを舌先で舐め取り、カリ奥や裏スジに塗りつける。
いい子だ・・・もっとこっちに来いよ・・・。
「!」
とつぜん好井がぴくんと動いた。・・・舌がいいところに当たったか。
俺は舌を強く動かす。相手が弱みを見せたら、すかさずつけこんでやる。
好井がぴくん、ぴくんと動く。・・・亀頭の先、横っ面のあたりだ。
(ここか------)
好井の硬直したマラを曲げんばかりに、つよく横に向けて攻める。
好井が腰を引く。・・・俺がぐいと押し込む。
「うんっ」
好井の足が伸びる。
・・・チャンスだ。
俺はリング中央、好井の右足を脇にがっきと固める。
右片ポンプ固めだ。好井がびくんと体を震わせる。
「・・・・くっ・・・あ・・・」
好井のうめき声に構わず、俺は頭を動かす。
好井のガマン汁がどくどくと出る。ようやく素直になってきた。
決められた右足が軽く持ち上がり、腰が跳ねる。
「好井さん・・・気持ちいい?」
俺が好井に声をかける。
「・・・・うん、ぐ・・・・」
「・・・そっか、気持ちいいんだ・・・」
「・・・これ、もっと気持ちいいよ・・・」
「・・・うぐおっ・・・」
「・・・好井さん、ギブアップ?」
鼻息の荒くなった好井の体をがっちりと固定し、頭をぐるんぐるんと動かす。
「んーん」
好井の腰がピクン、ピクンと跳ねる。
好井が口を放して喘ごうとする。でも俺の竿に上から貫かれて動けない。
「うんうんっ・・・」
好井の膝がバタバタと動く。逃げられないと知って焦りだしたか。
好井の腰が跳ねる。また跳ねる。
好井はここからが長い。
俺は焦ることなく、ただひたすら舌を動かす。
・・・料理するのは、獲物が網に落ちてからでいい。
(・・・おら好井・・・イカねえか・・・おら・・・)
俺はノリノリで下の相手をいじめる。
好井が、魚のようにぴちぴちと跳ねる。
俺の技が強くきまって、まったく好井の技が効かなくなった。
・・・それから、たっぷり三分。
「・・・ぐへっ・・・ああ・・ああいく・・・」
好井のむっちりした体が俺の下で小刻みに跳ねる。
生臭い液体が口の中に満ちる。
《どくん》 《どくん》
《どくん》 《どくん》
俺の勝ちだ。俺はレフェリーの差し出すコップに生臭い液体をペッと吐き出し、
すっくと立ち上がる。
「いっぽん! ・・・勝者、寺田!」
俺はレフェリーのされるがままに右手を差し上げられ、ついでに左手も突き上げる。
なかなかの曲者だったが、あせらずに俺の試合ができた。
好井は膝を開いたまま、大の字にダウンして動かない。
試合時間9分15秒。・・・若手対決で、好井が10分持たなかったのはめずらしい。
俺に自分のペースを完全に崩され、俺の技に踊って、踊って、踊って負けた。
試合巧者の好井が、がっぷり四つで敵に攻め負ける・・・これほど屈辱的なことはないだろう。
「赤コーナー、栗原選手! 青コーナー、荒井選手!」
栗原の試合だ。相手は荒井という30代後半の選手。
好井がリングを降りるのを見届け、俺はシャワーを浴びずに様子をうかがうことにした。