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「んっ・・・んっ・・・」

 

 駅から徒歩10分の距離に位置する、ある雑居ビルの2階。

道場「T」と名付けられた、畳敷きの格闘スペース。

その中央には6m四方のでかいリングが設置されている。「尺八レスリング」の試合場だ。

特に夜になると2階のギャラリーが解放され、身元確認と高めの会員料を払ったお客さん達が

ボックスシートの上からこの試合を見ることができる。

リングの上で、相手と69の技を掛け合い、いった方が負け。

これだけの勝負のために、腕自慢の男たちが道場のリングに上がり、鍛え抜かれたフェラの技を競う。

 

腕自慢同士の対決、長くはかからない。 どちらかが相手の技に屈し、リングの上で果てて終わる。

勝てればいいが、相手がうまければ自分がリングの上で相手に蹂躙され、豪快にマットに沈む。
知らない客の前でイキ顔を晒したくなければ、ひたすら目の前の男を攻め抜き、沈めるしかない。

勝つのも、負けるのも仕事だ。

階上のギャラリーでは、十数人のお客さんが試合を興味津々に眺めている。

リング外では、競パンにTシャツなどを羽織ったレスラー達がずらっとリングを取り囲む。

そんな中、二人の男たちが自分の名誉をかけ、全力でフェラの腕を競い合う。

「・・・むんっ、あう・・・」

 今この瞬間も、リング上で一人の選手が相手に強烈なフェラ技をかけ、相手を踊らせている。

相手の方は足をばたつかせて必死に技をこらえ、懸命に放出負けを拒否している。

フェラ技をかけているのは、栗原という男。放出をこらえているのは・・・俺だ。

「・・・あっく、あっく・・・」

リング中央。 栗原が俺の体を上から押さえつけ、強烈な左ポンプ固めをきめている。

俺は左足を栗原の脇の下に巻き込まれ、つよく勃起した男根を攻め立てられている。

自由な右足のバランスがうまくとれず、栗原の技が効くと右足のももがぴくぴくと動く。

《ぴくぴく、ぴくっ》

最近の栗原は、急激にうまくなった。・・・この俺が、うまく攻めをかわせない。

若手の選手が相手ならば、ほとんどの選手が5分以内でいってしまう。

さすがの俺にも、危機感はあった。

栗原が目の前で上達していく様子を、何度もリングの外から眺めてきた。

尺八の技を競い合ってきた仲間が、次々とマットに沈んでいく。・・・だからこそ、リングの上で試したかった。

どんなに栗原が上達しようと、俺は栗原に負けない。それを、マットの上で証明したかった。

俺はリング中央で栗原のタマの裏をにらみつけながら、足をかくかくと震わせる。

組み合ってみれば分かる。・・・残念ながら今の栗原は、俺よりもうまく、強い。

制限時間があれば、判定に逃げられる。でも、残念ながら、これは無制限一本勝負。俺か栗原が

ザーメンを出すまで、この試合は終わることがない。

「栗原いいよー! 相手すっげぇキイてる! チャンスだ!」

観客の興奮した声が、俺の心をきつくえぐる。

・・・栗原相手に、俺がマットに沈んだことは一度もない。

 (ぐうお・・・・・・・くそ、負けてしまう・・・・)

栗原が鼻息荒く、いろんな角度からマラを責め立ててくる。

栗原はいま、明らかに興奮している。 はじめてリング上で俺に責め勝ち、乗りに乗っている。

栗原のかたい竿がガマン汁をたらし、俺の頬の当たりでコツコツとぶつかる。

(・・・くっそ、調子にのんなよ・・・)

そう心で叫びながらも、腰は勝手にヒクヒクと反応してしまう。

 

「・・・あっ・・・」

俺は栗原のタマのあたりに顔をこすりつけ、いっそう速く腰を振りたてる。

 

 

この店では、後で閲覧できるようにオーナーが試合用のビデオカメラを回している。

そのビデオカメラの前で栗原に頭をぐるぐると回され、ベロベロとカリを舐められている。

栗原のザラついた舌が俺の亀頭を撫でるたびに、俺のヒザがひくひくと動き、腰が回る。

撮られていると分かっていても、うまくこらえることができない。

・・・屈辱的で、ぶざまなダンスだ。

 

 

「・・・く・・・がっ・・・」

栗原は、俺がこの「道場T」で、はじめて戦ったレスラーだ。

当時から技に自信のあった俺は、オーナーの指名のままにリングに上がり、

対戦相手としてリングに上げられた栗原を5分でいかせ、初のKO勝利を飾った。

その上下関係はずっと変わることがなく、栗原が俺に稽古を申し入れるたびに俺は

強烈な技で栗原を踊らせてやった。

 

そしていつしかそんな一方的な展開にも飽き、俺の方からそういう責め合いを申し入れることもなくなった。

完全に、俺が上。 ・・・その認識は、俺以外の者も全員が共有するものとなった。

 

 

しかし・・・いつの間に、栗原はここまで力をつけていたのか。 

先週の試合、栗原はとつぜん道場で上のランクに位置する重岡に挑戦し、

重岡との強烈な片ポンプ固めの打ち合いに攻め勝ち、重岡から痛烈なダウンを奪った。

そして7分後にはみごと重岡を昇天させ、KO勝ちを飾ってみせた。

その試合直後、別の試合を控えた俺のところへ突然やってきて、今日の試合の挑戦状を叩きつけた。

俺は急なことに驚いたが、平静を装ってその挑戦を受け入れた。

・・・この日を・・・待っていたのか?

 

 

「・・・がっ・・・・・うんぐ・・・・・」

俺の防戦一方は、この5分の間変わっていない。

・・・こんなはずじゃなかった。

最近、栗原の調子がいいのは、とっくにわかっていた。

だからこそ、そんな栗原が調子に乗らないうちに、リングの上で懲らしめてやろうと思っていたのだ。

 

 

(・・・くっそ、このままじゃ)

 

栗原の執拗な責めに根負けし、たまらず腰を引く。

すかさず栗原が俺の腰を右手で牽制し、逆にぐっと引き寄せる。

(・・・・なにぃっ・・・・)

 

栗原はそのまま俺の体に乗り上げ、上からがっちりと技をきめた。

「・・・ 《ぐちゅり》 あうぐ!!」

 ポンプ固め。 栗原が最近の試合で得意としている技だ。

 

俺のうめき声で、会場が沸く。

「いいぞ栗原ー!」   「倒せる倒せる! いけるぞー」

栗原は冷静に俺の下半身を両脇に固め、真ん中で硬直しきったマラを横向きにくわえて洗う。

 

「・・・ぐうううおおおおおおおっ!」

栗原の両脇の下から俺の両足がのぞき、バタバタバタともがく。

俺のつよく硬直した竿を、栗原が遠慮なく舌に押し当てて力いっぱいこじってみせる。

 

俺の身体が、電気ショックに打たれたようにガクガクと痙攣する。

俺が栗原に負ける所を見慣れていない男達が、オオオオオッと声をあげる。

俺の顔は栗原の腰で左向きに押さえつけられ、勃起したマラが俺の右頬に無造作に押しつけられる。

 

「・・・ぐあああああっ・・・」

俺の太ももが、ぴくぴくと痙攣しながら栗原のいがぐり頭をはさむ。

気にせず栗原のいがぐり頭がぐいぐいと上下に動く。 短く刈り込まれた髪がおれの太ももをチクチクと刺激する。

たまらず俺の腰が反応する。・・・といっても栗原の筋骨逞しい肉体にがっちりと押さえ込まれ、可動域は限りなく狭い。

調子に乗って栗原が素早く頭を動かす。ピストン音がリング場全体に響く。

 

 「ああ」

また俺がうめき声を漏らす。 会場が沸く。

(くっそ・・・このままじゃ、栗原に・・・・。)

 

 

「寺田ー! 攻めろよー!」

その声で、ハッと我に返る。

苦しまぎれに栗原の腰に手を掛け、力をこめて持ち上げる。

《ぐちゅり》亀頭を口に包み込む。

栗原の腰がぴくんと反応する。少しは効いたか。

 

しかし・・・

「【ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ】うううううんっ! んんんんっ!!」

すぐに栗原の責めが再開。バタバタと反応する俺の太い足を押さえつけ、強く頭を振る。

栗原の強い責めが効いて、うまく技の感覚がつかめない。

なんとか太ももの動きはこらえているが、右足の足先の動きはこらえきれない。

認めたくないが・・・誰がどう見ても、この俺が完全に責め負けている。

 

栗原の頭を挟んだ俺の太ももが、カクカクと揺れる。

「いいぞ栗原! このままダウンさせちゃえ!」

栗原の坊主頭がぐいぐいと動き、俺の亀頭を舌でゴリゴリと絡める。

(うーんっ)

俺の右足がピンと伸び、つま先がカクカクカクと反応する。

「よーし栗原! もうちょい!」声援が、栗原をさらに後押しする。

 

 

《ぐりっ》

《ぐりっ》

《ぐりっ》

 

「・・・おうん!!」

亀頭を強く回され、たまらず俺が栗原のマラを放す。

「おっしゃ、ダウン! ・・・ここだ!」

 

「《ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ》ああああああああああああう!!」

栗原が強烈なピストンを開始。  一気に俺をしとめにきた。

「いいぞ栗原! 一気に行けぇ!」

声援に後押しされて、栗原のストロークがいっそう速まる。

 

「おおおおおおおおう! うううううううううううううん!」

栗原の体の下で俺の足が何度もばたつき、リングのマットをひっかく。

公開処刑。結果は誰が見ても明らかな戦い。

パンパンにふくれた俺の男根を、みんなが見る前で栗原がくわえてグルグルと頭を回す。

栗原は俺の柱を半分だけくわえるから、赤黒く筋張った竿が衆目にさらされる。

俺がもっと弱い選手だったら、30秒弱でザーメンをしぼり取られて試合が終わる。

しかし、負けず嫌いの性格が災いして、俺が負けるときは拷問の時間も長い。

俺がガマンしている間、時間をたっぷり使って栗原が俺を拷問し、自分の強さを誇示する。

 

栗原が真上から俺を組み伏せ、両手で俺の腰を抱え、口だけで亀頭を責め立てる。

(・・・・うっ、うまいっ・・・・)

俺の腰がピクピクと跳ねる。踊ってるように見えるが、機械的に踊らされているのだ。

(・・・ぐ・・・・・すっげ、栗原・・・)

 

 

たっぷりと時間をかけて、栗原が俺を責め立てる。

今まで俺に受けた屈辱を、このリングで返そうとしているようだ。

リングに上がる前は、こうなるとは思わなかった。

最近重岡に勝って調子に乗っていたから、俺がリングで懲らしめてやるつもりだった。

まさか、俺の方が栗原に・・・。

 

 

(・・・も・・・・もうだめ・・・・)

俺は栗原のたくましいケツを叩き、しきりにギブアップのサインを送る。

しかし栗原は俺の体を離さない。あくまで俺を最後までしとめようとしている。

俺はしきりにもがきながら、過去の栗原との対戦を思い出していた。

俺も同じようなことをしていた。栗原がさんざんギブアップしてるのに、その口を

ふさいでがんがん栗原を犯し、ザーメンを噴かせて楽しんでいた。

(アレのお返しのつもりか、栗原・・・)

イヤイヤと左右に揺れる腰をがっちりと捕らえ、狂ったように頭を振る栗原。

・・・こんな男の技に、俺は今にも屈しようとしているのだ。

(・・・くっ、くそ・・・逃げられん・・・・)

 

暴れる俺の腕を、栗原が足で制する。

「おっ、おい」栗原の太い足が俺の両腕を強引にまとめ上げ、バンザイの格好に固定する。

「・・・あうっ・・・・ああああああああん!!」

俺をバンザイの格好にしたまま、硬直しきった男根に栗原が襲いかかる。

 

 

栗原の下でバタバタともがきながら、俺の目がトロンとしてくるのが自分で分かる。

上から相手のふとい男根を押しつけられながら、恍惚としている俺の顔をオーナ-の

ビデオカメラが追っている。

(・・・やっべえ・・・・俺・・・・)

 

69マッチのリングで、格下の相手にからめ取られてガンガンレイプされている俺。

すべては栗原の計算通り。 この状態で俺をいかせ、リベンジを果たすつもりだ。

(・・・やべえ・・・で、出る・・・・・・)

 

リング中央、栗原にバンザイさせられた状態でビデオカメラとにらめっこしながら、

俺がまっすぐにのぼりつめる。

「やべ・・・・・いっ、いぐううううううう!!」

 

 

 《どくん》 《どくん》

 

《どくん》 《どくん》

 

決着。・・・完全に静まったマットの上で、栗原に組み敷かれた俺の腰がピクン、ピクンと跳ねている。

おおおー、とどよめく観衆。・・・俺が栗原の技に屈したことは、火を見るより明らかだ。

 

「いったな」 「いってるよ」

昇天。俺は自分の上に乗り上げた栗原の口に、我慢していたものを吐き出している。

栗原は動きを止め、黙って俺のザーメンを口で受け止める。

その下で、俺の体全体がぴくん、ぴくんと痙攣する。

俺の完敗だ。栗原に完全に支配され、何もさせてもらえなかった。

 

 

栗原の体の下で一心に放出する俺と、それを受け止める栗原。

栗原は体をびくとも動かさない。決着がついた今も、俺をきっちり組み敷いたままだ。

あられもない俺のイキ姿を、一秒でも長くカメラにおさめさせるつもりなのか。

そして、それを見守る観衆。・・・しばしの沈黙が、場を支配する。

 

ややあって、力尽きた俺の体の上で栗原がぐちゅっと音を立て、体をぐっと起こす。

レフェリーから透明なコップを手に取ると、口から白い粘液をどろっと吐き出す。 

「いっぽん!」

審判の一声。歓声とパチパチという拍手が重なる。

栗原がマラを強く跳ね立たせたまま、立ち上がって左手で俺のザーメンが入ったコップを高々と差し上げる。

ワーッと会場が反応し、パチパチパチと拍手が起きる。

 栗原はニコッと人の好さそうなエクボを浮かべ、鍛え上げられた右の力こぶをぐっと作り上げてみせる。

・・・試合が終われば、なかなか気のいい奴だ。

 

俺はがっくりと腰が抜け、なかなか立ち上がることができない。

半立ちの男根の先から、白いザーメンとガマン汁の混ざったものがどろっと垂れ落ちる。

俺は仰向けにピクンピクンと痙攣しながら、糸を引く自分の亀頭とにらめっこする。

 

「15分27秒、変形ポンプ固めで・・・栗原選手の放出KO勝ち!!」

レフェリーが栗原の右腕をさっと上げる。栗原がニコニコしながら観客の歓声に応えている。

 

負けてはならない相手にリングの上で圧倒され、衆目の中でザーメンまでしぼり取られてしまった。

俺は大の字になったまま、勝ち誇る栗原を呆然と眺めていた。

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