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堀田戦から数えて、2週間後の火曜日。

仕事の合間の時間を作って、久しぶりに「T」の門を叩いた。

 

あまり知ってる顔はいないが、今日も盛んに「稽古」が行われている。

今日は土曜日でないので、この時間帯では要望がない限りリングはあまり使われない。

それでも道場のあらゆるスペースを使って3組ほどが火花を散らしているほか、中央に円を

作るような形で男達が集まり、その中で一組の試合が行われている。・・・おそらく、フレ

ッシュマンの連中だろう。

 

フレッシュマンとは言っても、このごろ利用者が増えているようでいろんな人間が入ってくる。

ここで選手などやらなくったって、セックスのうまい男は多い。中には堀田のように勝ち星

を重ね、一気にレギュラー入りを果たす選手も少なからずいるはずだ。

うかうかしてると、ここの連中がまた急にレギュラーのリングに上がり、俺をレイプしにく

るかも知れない。

 

 

俺は挨拶もそこそこにロッカールームに入り、身につけていたスーツを手早く脱いでいく。

脱いでいる間にも「あっ、あっ」という声が道場から漏れ聞こえてきて、俺の股間をみるみる

膨らませていく。

全裸になってロッカーに服を掛ける。俺のマラは既にギンギンの臨戦態勢だ。

店に預けていた黒いビキニ競パンとケツ割れを手に取り、まずは黒競パンをロッカーにしまう。

リングに上がる試合以外は、ケツ割れで用を済ますことが多い。黒競パンは試合着という感

覚が強いのだ。

 

キーのついたアンクルベルトを足につけ、ケツ割れとタオルを持ってシャワールームに入る。

今日一日の仕事の汗をシャワーで流していると、「あーっ」「一本!」という声が聞こえて

くる。・・・どうやら、一試合終わったようだ。

体を拭き終わる頃になると、ちょうどそれらしい30代半ばぐらいの男達がマラをギンギン

に立ててシャワールームに入ってきた。

二人の表情を見れば、どっちが勝ったか一目瞭然だが、俺は素知らぬふりをしてケツ割れに

足を遠し、脇を通り抜けて道場のすだれをくぐる。

 

 

道場に入ると、10人程度の円陣の真ん中にケツ割れを履いた二人の男が向かい合って立っている。

20代半ばぐらいの、ここでは若手に入る男達だ。試合前らしくケツ割れがキチキチに膨れている。

二人ともマッチョというほど鍛え込まれてはいないが、脂の乗り始めた体にしっかりとした

筋肉がついている。数年前の学生時代には運動部でならしていたにちがいない。

それでも、こうやって手練の男達に囲まれていかせ合いを演じるシチュエーションにはまだ

慣れていないのか、どちらの顔にも少し強張ったような表情が見てとれる。

 

 

いまフレッシュマンの指導兼レフェリーをしている門馬というオッサンに二三の軽い注意を

聞きながら、二人とも神妙な面持ちでうなずいている。

うなずきながらも二人のケツ割れの膨らみは大きく、その先端には微かなシミが見られる。

本音を言えば、今すぐにでも組み合って火花を散らしたい心境に違いない。

 

門馬の注意がやっと終わり、指示に従って二人がケツ割れを脱ぎ始める。

さすがに若い二人は体も正直だ。二人の遠慮がちな態度とは裏腹に、勃ちきった男根が元気

よく天を衝き、試合が始まるのを待ちかまえている。

 

二人が69の体勢になるときも、接着剤で固定されたようにビンビンに上を向いている。

二人とも俺ほどではないが、なかなかの大きさと太さを持っている。長期戦は疲れそうだ。

あれだけ立ってればどっちが勝っても決着は早いだろう。たいていの若い者同士の試合は

技が派手にきまり、決着も早い。

でも当事者の二人にしてみれば、今試合場に立っている自分だけは最後まで持ちこたえたい

と思っているはずだ。

 

 

道場用の赤い競パンを履いた門馬が試合が始めるまでの短い合間、二人とも息を詰めたよう

な顔で目の前に突き出された相手の勃起マラを見つめる。

 

試合開始までの、息詰まる一瞬。

 

 

「・・・はじめぃ!!」

 

 

門馬の声とともに、二人がガバッと組み合った。

周りの大きな応援の声。しかしそれも耳に入らないように、二人とも相手のマラをくわえ込んで

一心に頭を振っている。

初めの攻防は大事だ。ある一瞬の相手のひと舐めが効いてしまったために、最後まで自分の

攻めをさせてもらえずにザーメンを噴き上げて負けることも試合ではよくある。

ここにいる二人もねちっこく、かつ慎重に頭を動かしながら強烈な技を掛けていく。

 

若い二人の割にはなかなかいい技を持っている。上下左右、円運動を混ぜながら相手の亀頭

を強く、容赦なく攻め上げている。技だけならレギュラーのリングでも戦えるのではないか。

これだけの技を食らって、冷静でいるのはレギュラーでも難しい。

 

強烈に効いたそぶりは見せないものの、早くもお互いどこかで効いた兆候を見せ始めている。

赤いアンクルベルトの方は足先をカクカクと動かし、白いアンクルベルトの方は右膝を軽く

動かすようなそぶりで、突き上げる官能を逃がそうと試みている。

 

強烈に効かされると腰やケツの筋肉にダイレクトに反応が現れるので、二人とも基本通りに

相手の両足付け根をロックし、反応を探りながら技を丁寧に打ち込んでいる。

互いに弱いところを相手にくわえさせながら戦っているので、防御は不可能。

できるとしたら相手を騙して心理的に試合を優位に運んでいくことだけなのだ。

 

 

試合は、急に動いた。

それまでただねちっこく頭を動かしていた「赤」の方が、ズルンと頭をひねりながら相手の

男根を奥に滑り込ませたのだ。

「!!」

不意討ちに「白」が右足をガクンと伸ばし、腰を大きく突く。

 

赤がきついバイブをかける。

「んっ・・・」 たまらず腰を引く白に対し、赤がそれをガッチリと捉えて力ずくで引き戻す。

白が両方の太ももで赤の頭を挟む。赤がもう一度相手の男根を深く突っ込む。

 

「・・・あっ・・・」

反射的に白の上体がのけぞり、頭をマットにつく。

「ダウーン!!」

門馬の太い声が道場内に響きわたった。

 

「ワンッ!  ツーゥ!  スリーィ!  フォーオ!」

ダウンした白の顔を見ながら、門馬が人差し指を突きつけるようにカウントをとっていく。

 

「・・・・く・・・・あ・・・・」赤がここぞとばかりに責め立てる。

大きな歓声の中、腰をよじって悶絶する白を上から強烈に追いつめている。

10カウント制だが、もしかしたら白の方がいってしまうかもしれないような勢いだ。

 

白が足をふるわせながら、対戦相手の反り返った太マラをがっちりと握る。

門馬のカウントが進む中、相手の柱を握りながらブンブンと頭をふって突き上げる官能を振り払う。

 

「ナイン!!」 9つめのカウントと同時に、白が赤の腰にがっぷりと食らいつく。

 

「・・・ファイッ!!」

 

 

「んーんっ・・・・」 赤が覆いかぶさるように頭を回す。

赤の頭を挟む太ももがピクピク動く。その間に深く頭を突っ込んでのローリング攻撃だ。

「・・・んっ・・・んんんっ・・・・」

白はただ竿をくわえたまま、やられるままに足をばたつかせている。

白のダウンによって心の均衡が破れ、かなり一方的な闘いになっている。

 

「・・・ぐっ・・・うんっ・・・」白のくぐもったうめき声。

赤の方はすでに余裕があるのか、スジの浮いた敵の太い男根をからかうようにくわえ、

ねちっこく左右にこね上げている。

 

「ぐふっ」白の足が伸びる。 すかさず赤が深く頭を沈める。

「ああうっ!!」白がまた口を放して反り返る。「ダウーン!」門馬が太い声を張り上げる。

 

 

「ぐはっ・・・」

対戦相手の強烈な69技を内股ぎみになって食いながら、白が眉根をぐっと寄せる。

必死にこらえてしまったのが祟ったのか、すでに視線の先が微妙に定まっていない。

「ファイブ! ・・・シックス!」

相手の上ぞり男根の根元を右手につかんだまま、白が単調に腰をガクガク揺すっている。

 

「・・・エイト!」

門馬の声に誘われるように、白が自分の握った太マラを口にもっていく。

 

「ナインッ!」

なんとか白が赤の上反り男根をくわえ、戦闘態勢に戻った。

 

「・・・ファイッ!」

 

 

 

しかし、その次の瞬間のことだった。

「・・・あっ・・・!!」

いま赤の男根をくわえたばかりの白が、突然自分の腰に食らいついた相手の頭を両手でむんず

とつかみ、ぐちゅっと引きはがした。

 

「・・・ぐへっ・・・」

「一本! それまでぇ!」

門馬が右手を高々と上げる。・・・鮮烈な赤のギブアップ勝ちだ。

 

赤が上体を起こすと、カチカチに勃起した白の男根から、どろりと白い液体が垂れ落ちる。

どうやらギブアップが間に合わず、少し漏れてしまったようだ。

 

おおおっ、と取り巻きから声が漏れる。フレッシュマンとはいえ日頃から練習している男が

ザーメンを漏らすほど一気にのぼりつめるのは、確かに珍しい。

白の体がごろんと仰向けに崩れる。一方的に攻めこまれ過ぎて、まだ体の痙攣が解けない。

男根をまだ力強く勃起させたまま頭だけを上げ、白い糸を引いてピクピクと動くモノの先を

ぼうっと見つめながらピクピクと痙攣している。

 

「ギブアップ、一本勝ち!」

門馬が赤の右腕を持って高々と差し上げ、パチパチと拍手が起こる。

赤が顔をほころばせる。試合時間にして3分ほど、ほぼ同年代の対戦相手を立て続けにダウン

させ、ギブアップを奪い、ザーメンまで搾り取ったのだから嬉しいだろう。

 

白が足をヒクヒクさせながら、悔しそうにこぶしで畳をどんと叩く。

試合を見れば実力が伯仲していることは分かるし、道場で稽古した仲間同士の闘いならば、

それなりに負けられない試合だったはずだ。

しかし、こうやって試合が終わってみればダウン2回にギブアップ負け。

傍目から見れば赤の完勝という評価はまず動かないところだ。

 

 

しばらくして白が立ち上がると、二人ががっちりと握手する。

「まいったっす」「いや、こっちこそ」

互いに男根をがっちりと立てたまま、二人が言葉少なに会話をして礼を交わす。

白の方はさすがに悔しそうな表情を隠し切れないが、それでもニッコリと笑って赤と握手を

交わしている。

「道場」に生きる男の、精一杯の意地と言っていいだろう。

 

二人が仲間からタオルを受けとり、試合で垂れてしまったものをふきとる。

ザーメンの糸が未だに糸を引く白だけでなく、赤のマラからも透明なものが垂れているので

力は互角だったはずだ。だが少しだけ赤の方が駆け引きが上手だった。

 

耐久力と技術に未熟な部分を残すものの、二人がもう少し成長してレギュラーのリングに上がる

ようになれば、レギュラー陣の中にも2,3人、彼らと戦ってマットに沈む者が出てくるはずだ。

先輩後輩は関係ない。リングに上がってザーメンを搾り取る者が強い。

そう考えながら自分のケツ割れに目を落とすと、早くも大きなシミが目に入り、思わず苦笑する。

(なんだよ俺・・・あんな若い奴の技ぐらいで刺激されるなよ・・・)

 

 

両者がケツ割れを手に取り、足を遠し始めたタオルを受けとって試合後の処理をするのを尻目

に見ながら、門馬が声を張り上げる。

「さあ、続いて第5試合いくぞ!」

 

その声と同時に、すっくと立ち上がった二人がいた。

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